先生の記事(2/)

2023年12月1日

インド最大の日刊英字紙

 タイムズ・オブ・インディアに

池田先生の寄稿が掲載

 

地球温暖化防止の対策を巡り

 インド最大の日刊英字紙「タイムズ・オブ・インディア」の11月25日付に、池田先生の生前の寄稿が掲載された。

 

 先生は、地球温暖化に伴う異常気象の被害が顕著な今、人々の生命と生活を守るため、時代変革のうねりを力強く巻き起こしていくべきであると強調。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでの「COP28(国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議)」(11月30日に開幕)に言及し、「パリ協定」で掲げられた“世界の平均気温上昇を1・5度以内に抑える”目標を手放してはならないと訴えた。

 次いで、国際的な植樹運動の指導者ワンガリ・マータイ博士の「無気力でいないで、行動に打って出ましょう!」との言葉に触れ、

 一人一人の人間に“限りない可能性”と“変革を生み出す力”が宿っているとの仏法の思想と重なり合うと述べつつ、法華経に描かれる「長者窮子の譬え」を紹介。気候変動などの「問題の大きさ」を前に無力さを感じたり、「自分の存在は微弱なものにすぎない」と思い込み、行動を起こすことを諦めたりするのではなく、人間の生命に具わる“自分の人生と社会をより良い方向へと向けていく力”を信じ、同じ志の人々と連帯の水かさを増していくことが重要であると言及した。

 さらに、マータイ博士の運動も、ケニアでの数本の植樹から始まったように、気候変動の解決の道を開くためには、地道な挑戦をさまざまな分野において草の根の民衆レベルで担う必要があり、その中核こそが「青年」であると力説。

 気候災害から子どもや若者を守ることが課題となる一方、気候変動対策に若い世代が関わる重要性が増していると指摘し、青年を中心に、“自分たちが望む未来を自分たちの手で断じて築く”との信念で行動を起こし、時代変革の挑戦を広げながら、地球全体を包み込んでいこうと呼びかけた。


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2023年11月20日

池田先生の記念行事へのメッセージ

 我らの勇気で平和の世紀を

 

 藍よりも青く、向学とチャレンジ光る「英知の日」、おめでとう!

 朝早くからの遠距離の通学も、親元を離れての寮・下宿の生活も、全て偉大な人間教育です。皆、頑張ってくれて、ありがとう!

 わが学園の校章は、ペンと鳳雛の翼を象っています。皆さんが、剣より強いペン、すなわち英知を磨き、我らの使命の翼を広げて未来へ羽ばたき、朗らかに世界を結びゆく姿の象徴です。英知輝く学園を源流とし、世界を照らす創価教育のシンボルとなりました。

 今日は、この校章に寄せて、「科学の探究心」と「人道を貫く勇気」という二つの翼を大いに鍛えよ!と申し上げたい。

 私の宝の友人・スワミナサン博士は、持続可能な「緑の革命」によって無数の人々を飢餓から救った農学者であり、核兵器の廃絶を目指す科学者の連帯「パグウォッシュ会議」の会長でありました。

 博士と私は対談集で、人類を傷つけ引き裂き、不幸にする現代の“野蛮”といかに戦うかを語り合いました。

 一つの結論は、「科学的精神」つまり「真理を求める探究心」と、「人道主義」つまり「人々の幸福のために行動する勇気」を併せ持つ人材が重要であるということです。

 そして、そうした地球民族に貢献しゆく世界市民を育てるモデルを、博士は創価教育に見出してくださったのです。

 皆さんが、この学園で月々日々に、学び合い、高め合っていく「英知のきずな」こそ、創価教育の創始者・牧口常三郎先生が命を賭して目指した「平和と人道の世紀」を創る希望であります。

 時代と社会の烈風にも、学園生は凜々しく胸を張り、いよいよ「探究」と「勇気」の翼を、楽しく逞しく鍛えていってください。

 わが信ずる皆さんが王者の大鳳となって天高く、どこまでも翔けゆく明日を見つめ、私は一人一人の健康と成長を祈り抜いていきます。

 

11・18「創価学園創立記念日」を祝賀する「英知の日」の集いが17日、東京・関西の高校、中学校、小学校、北海道の札幌創価幼稚園で行われた。創立者・池田大作先生から事前に寄せられたメッセージと今年度の卒業・卒園予定者への指針が紹介された。

 


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2023年11月18日

 

地涌の弟子

 地球ほし踊躍ゆやく

  殉教の

 師父へ報恩

   果たす誇りよ

 

妙法は

 一人を手本の

  法なれば

 我と我が友

  一切衆生みなへ光を

 

師子王の

 心いだして

  勝ちまくれ

 世界の青年きみ

   平和の眼目まなこ

 


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2023年11月15日

 

人材の城を 平和の園を!

 世界青年学会の礎は盤石なり

 

生命尊厳の哲学を持つ我らは、

それぞれの使命の天地から、

 「平和ほど、幸福なものはない」との

スクラムを広げるのだ。

 

 学びの心は、強く美しい。

 御本仏・日蓮大聖人は、

 「即身成仏」について尋ねた妙一女に対し、

 その求法の心自体が「ひとえに只事にあらず。教主釈尊、御身に入り替わらせ給うにや」(新2134・全1262)とまで讃えられている。

 「青年・凱歌の年」の今年は、

 「世界教学の年」といえるほど、

 日本でも各国各地でも、

 教学試験や研修会等が活発に展開された。

 大聖人はさぞかし喜んでくださっているに違いない。

 

希望大陸の知恵

 「世界教学の年」の息吹そのままに、“希望の大陸”アフリカの各地で、先月、求道の熱意をたぎらせ、第六回となる教学実力試験が行われた。コートジボワールやガーナ、トーゴ、カメルーン、ケニア、マダガスカル、ザンビアなど二十八カ国である。

 アフリカの教学実力試験は二〇一六年に第一回が行われ、コロナ禍による中断をはさみ、昨年、三年ぶりに再開された。多彩な言語を駆使し、麗しく励まし合い、学び合う中で、皆が仏法理解を深めている。

 大陸から千三百キロ離れたインド洋上の百十五の島々からなるセーシェル共和国でも、今回初めて実施された。その尊き様子を、私は「部の日」四十五周年を飾った日本の勝利島部の宝友の活躍と重ね合わせて、合掌しつつ伺った。

 「二十一世紀の大陸として、教学で団結することができて大勝利です」――南アフリカのリーダーの大歓喜の声が胸に迫る。

 いずこの地でも、言うに言われぬ苦労をしながら、わが地涌の同志は、誇らかに「十界互具」「一念三千」をはじめ「生命変革の極理」を探究し、実践している。

 万人の生命に本来、十界が互具し、なかでも平等に尊極の仏性が具わると見る仏法の哲理。それは「ウブントゥ」というアフリカの人びとがもつ知恵と、深く響き合っていると思えてならない。ウブントゥとは、「他者への思いやり」という誰もがもつ善性であり、「他者がいて自分がいる」との人間観でもある。

 南アフリカの“人権の巌窟王”マンデラ元大統領も、「ウブントゥ」の重要性を語られていた。二十七年半にも及んだ獄中生活を耐え抜き、人権闘争を貫いた経験に鍛えられた人生哲学を吐露されたこともある。

 「人の善良さという炎は、見えなくなることはあっても、消えることはない」と。

 この人間尊敬の揺るがぬ信念から、人種差別の社会体制の厚い壁をも突き崩していったのである。

 

全国の友よ立て

 

 教学振興は、広宣流布の原動力だ。

 創価学会が最初に「教学の年」と定めたのは、

 六十年前の一九六三年(昭和三十八年)であった。

 年頭より教学部の任用試験が行われ、

 老若男女五十万人の友が受験した。

 民衆の、民衆による、民衆のための

 壮大な生命哲学運動の潮流で、

 静かに深く社会を潤していったのだ。

 

 さらに、私は「創立の月」を中心に

 日本列島を回り、御書を拝しつつ、

 「友よ立て」と呼びかけた。

 

 東北・信越には、人類の平和を築くために強盛なる信心を貫こう!

 東京には、将来のために“創価学会ここにあり”とのくさびを打ち込もう!

 関東では、偉大な学会の“団結の中枢”となって戦っていただきたい!

 東海道には、互いに尊敬し合って、元気な姿で広布のために尽くそう!

 中国方面では、皆でうんと力をつけて、日本の国を救おうではないか!

 関西では、不幸な人の味方となって、“日本の柱”と言われる前進を!

 四国には、“一切の民衆を救うのだ”との心に燃える一騎当千の人に!

 北海道では、十年、二十年先を見て、民衆に信頼を広げる師子王たれ!

 中部には、新しい指導者を続々と輩出し、広布の心意気を示しゆこう!

 九州では、我らの力で社会の行き詰まりを打破する“新しい息吹”を!

 また、他に先んじて北陸には、“信心した者が勝つ”ことを示していこう!

 そして翌年、沖縄では、“力強い民衆の前進で、平和な国土を築こう!”と。

 私は、今再びの思いで、この期待を託したい。

 

 六十年前、

 私が何より活躍を望んだのは、

 壮年部であった。

 十一月、「大白蓮華」の巻頭言に綴った。

 偉大な創価の民衆城の建設は、

 「一に壮年幹部の双肩にかかっている」。

 共々に全生涯を広布の大偉業に傾けようではないか!

 歴戦の勇者が立てば、

 時代は動く。

 歴史は変わる。

 

 先般、インドから壮年部の愛唱歌を送って頂いた。

 その一節には――

 勇気ある王者たちよ

 大胆で力強く心一つに

 前へ前へと進撃しながら

 恐れを知らぬ祈りで

 道を開きゆくのだ、と。

 まさに「師子王の心」を謳い上げてくれている。

 

創立の月を共に

 

 創価学会の栄光の創立記念日にして、

 先師・牧口常三郎先生の崇高なる

 殉教の日である「11・18」に前後して、

 天空には「獅子座流星群」が出現する。 

 日本で極大となるのは、十八日の昼間という。

 世界で「同時涌出」している

 地涌の師子たちを祝福するごとく、

 大宇宙でも獅子の流星群が光を放つのだ。

 

 大晴天とともに思い出される「創立の日」がある。

 一九七八年(昭和五十三年)の十一月十八日――。「感激の同志」の城である東京・荒川文化会館で、本部幹部会が開催されるとともに、愛する常勝・大関西の不二の共戦の歴史を綴った、小説『人間革命』第十巻がこの日、発刊されたのだ。

 恩師・戸田城聖先生が中之島の大阪市中央公会堂で講義された師子吼を、私は「一念」の章に書き留めた。

 「こうして、大阪へ来て講義などをすることは、大阪の地から、病人と貧乏人をなくしたいためであります。このほかに、私の願いはありません」

 なぜ私たちは戦うのか。

 なぜ人材を育てるのか。

 それは、この世から

 「悲惨」の二字をなくしたいとの

 遠大な夢があるからだ。

 

 草創期、関西の友は恩師の心をわが心とし、人生と国土の宿命転換のために勇んで立ち上がってくれた。それが「“まさか”が実現」の金字塔となったのだ。

 二度目の「教学の年」である七三年(昭和四十八年)の師走、あの大阪市中央公会堂で、東京以外で初となる本部総会を行ったことも懐かしい。「負けたらあかん」との闘魂を燃え上がらせた大阪大会の舞台である。

 この年は「青年の年」でもあり、若き活躍が光った。

 当時、第四次中東戦争の影響によって石油価格が高騰し、さらに世界的な異常気象で人びとは食糧危機にも見舞われていた。

 

 私は総会の席上、「立正安国論」の一節を引いた。

 「国土乱れん時はまず鬼神乱る。

 鬼神乱るるが故に万民乱る」(新43・全31)

 つまり、社会が乱れる背後には、

 必ず人間の心や思想の乱れがある――と。

 

 生命よりも国の利害が優先され、

 憎悪の暴力が正当化されてしまう。

 この本末転倒に一番、苦しめられるのは、

 庶民である。

 子どもたちであり、母たちだ。

 こうした様相は、

 今日、いやまして深刻である。

 

 ゆえに生命尊厳の哲学を持つ我らは、

 それぞれの使命の天地から、

 「平和ほど、幸福なものはない」との

 スクラムを広げるのだ。

 

 この七三年を中心に結成された社会部、専門部、団地部(現・幸福城部)、農村部(現・農漁光部)、さらに地域部等の世雄たち、長者たちは、自分のいる場所で「信心即生活」「仏法即社会」「変毒為薬」「仏法勝負」の旗を掲げ、半世紀にわたって先駆・模範の献身を貫いてくれている。

 誠に感謝に堪えない。

 

胸張り新出発を

 「広宣流布大誓堂」が、完成してから十年――。

 恩師は、よく「十年後には、みんな、“自分ほどの幸せ者はない”と胸を張れるようになってください」と励まされた。その通りに、わが宝友は、この十年、苦難の山を乗り越え、幸福勝利の人生を切り開いてきた。

 今や、日本を含む百九十二カ国・地域の誓願の同志は、海外でも三百万人に及ぶ陣容となり、一人ひとりが人間革命の幸の実証を示してくれている。北米、中南米、アジア・大洋州、欧州、中近東・アフリカ――まさに地球を舞台に地涌の友は歓喜踊躍する。

 いかなる状況にあっても、創価家族は異体同心で「闇が深いほど暁は近い」と勇気の炎を燃やし、自らの行動で地域を明々と照らして進むのだ。輝く友の姿ほど嬉しいものはない。

 

不屈の民衆連帯

 「次から次へと人類に降りかかる難題への取り組みに、SGIは一貫して貢献してきました」とは、ハーバード大学のハービー・コックス名誉教授の指摘だ。

 こうも賞讃くださった。

 ――民衆運動としてのSGIを際立たせているのは社会との関わりです。それは“自分だけでなく、他者の幸せに寄与する”関わりの深さともいえます、と。

 一閻浮提第一の「幸福の大哲理」を掲げ、

 一閻浮提第一と仰がれる

 「不屈の民衆の連帯」が、ここにある。

 「世界青年学会」の礎は盤石である。

 

 いやまして

 地涌の青年の熱と力を結集し、

 地球民族の幸福の価値創造へ、

 「人材の城」を築き、

 「平和の園」を広げようではないか

 

 マンデラの言葉は自伝『自由への長い道㊦』東江一紀訳(NHK出版)。この他、M・エンゴマニ著『ウブントゥ 自分も人も幸せにする「アフリカ流14の知恵」』長澤あかね訳(パンローリング)等を参照。

 

2023年11月15日付

〈随筆「人間革命」光あれ 池田大作〉人材の城を 平和の園を! 


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2023年11月11日

 未来を雄々しく開く勇者たれ

民衆のため!

人類のために!

この心で進む人こそ本物

広布の仏子をたたえるほど

自身と組織に福運と勢いが

 

“断じて私は負けない”と

 雄々しく現実の真っただ中に飛び込む人。

 その人こそ「哲人」であり「勇者」である

 

 東京大学名誉教授の

 中村元博士(1912年―1999年)といえば、

 日本最高峰の世界的な仏教学者であられる。

 その中村博士が、

 このほど発刊された著書

 『比較思想の軌跡』(東京書籍)の中で、

 牧口初代会長への高い評価を述べておられる。

 ちょうど牧口先生の法難から50周年(93年当時)。

 この“時”に、

 日本の学術界の最高峰からの評価が

 公刊されたことは、

 私どもにとってうれしい出来事である。

 

 博士は“日本の学問は、

 外国の学者の研究に

 「注釈」をつけてきただけであり、

 自分で考えることをしなかった。

 その意味で、

 精神的には自立しておらず、

 自信がない”と厳しく批判されている。

 「では、日本人がすべて

 自信がなかったかというと、

 決してそうではない」

 「民衆に根ざして生きていた人」

 「迫害にも抗した人」は、

 「ものすごい自信をもっていた」と。

 

 迫害に遭い、批判され、

 しかも、それに負けることなく、

 民衆とつながり、

 民衆に尽くした人

 ――この人こそが、本物なのである。

 

 中村博士は、論じておられる。

 「わたくしの学生時代(=昭和初期)から、

 哲学とは新カント派の『真善美』、

 あるいは『聖』を付け加えて、

 価値の体系を立てる。

 どの(=日本の)哲学者も

 そのとおり講義していて

 異論をはさむ者がいなかった」

 「それに対して反撃をくらわしたのは

 牧口常三郎一人だけなのである」

 「『真善美聖』という価値の領域から、

 彼(=牧口先生)は

 『真』と『聖』とを除いて、

 そのほかに『利』を設定した」

 「美・利・善」の価値体系である。

 

 「『利』というと利益を

 連想されるけれども、

 しかしこれは、

 案外、東洋哲学の核心に

 迫るものだと思われる。

 仏教でいちばん大事にするものは何だというと、

 結局、

 『人のためを図る』

 『人のためになる』ということである」

 「利」というと、

 すぐに商売の利益とか、

 利息のことかと思う人がいる。

 しかし、じつは、

 「人のため」

 「民衆のため」

 「人類のため」に、

 「利」が説かれた本義がある。

 そして先生は、

 論じるだけではなく、

 身をもって「人のために」生き、

 そして信念に殉じられたのである。

 

 50年前、

 日本はこの偉人を投獄し、

 獄死させた。

 だが、ようやく日本も、

 牧口常三郎という

 偉大な先覚者の価値を見いだしつつある。

 中村博士の評論は、

 そのことの例証と思い、

 紹介させていただいた。

 

自他不二の法理

 さて創価学会は、

 なぜ勝利したのか。

 それは、

 「日蓮大聖人の仰せどおりに進んできた」からである。

 御書を開くと、

 大聖人はつねに信徒を、

 心からほめたたえておられる。

 「会員を大切にする」

 「会員を幸福にする」

 「会員を喜ばせる」

 ――広宣流布に戦っている学会員は、

 大聖人のお使いであり、

 「仏子」である。

 その学会員を、ほめれば、

 自分が功徳を受ける。

 「自他不二」――自分も他人も一体、の法理である。

 

 「阿仏房御書」にはこうある。

 「多宝如来の宝塔を供養し給うかとおもへば・さにては候はず我が身を供養し給う」(全1304・新1733)

 ――多宝如来の宝塔(御本尊)を供養されるかと思えば、そうではない。あなた(阿仏房)は、わが身を供養されているのである――。

 

 「御本尊を供養する」ことは、

 「わが身を供養する」ことである、と。

 「御本尊を大切にする」ことは、

 じつは「わが身の御本尊を大切にする」ことなのである。

 ここに信心の究極があり、

 仏法の真髄がある。

 

 広宣流布の仏子を大切にすることは、

 わが身の仏界を大切にし、

 強めることになる。

 頑張っている人を、

 たたえればたたえるほど、

 自身にも組織にも

 「福運」と「勢い」がつく。

 

 「御義口伝」には、

 この「自他不二」についてわかりやすく仰せである。

 「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(全769・新1071)

 ――鏡に向かって礼拝するとき、映った姿もまた、(こちらのほうを向いて)わが身を礼拝するのである――と。

 

 仏子を

 「ほめたたえる心が強い」ことが、

 「仏界が強い」証拠でもある。

 「御本尊をたたえ、

 広宣流布の勇者をたたえることのできる人」

 「仏界の強い人」である。

 

 「自他不二」であるゆえに

 「広布の敵」の悪に妥協した分、

 「自分自身の生命」の悪をも

 許すことになってしまう。

 それだけ自分が不幸の方向へ進んでしまう。

 悪の“根”を切る戦い。

 それは、わが身の悪の“根”を切り、

 不幸の“根”を切る戦いなのである。

 

三つの生き方

 最後に、ユゴーの話をしたい。

 ユゴーはこう洞察する。

 (『ユーゴー全集』9、ユーゴー全集刊行会、参照)

 人生には、さまざまな苦難がある。

 どんな人も、何らかの苦難がある。

 その苦難に対して、

 ①あきらめるか

 ②傍観するか

 ③飛び込んでいくか

 ――これによって「未来」は大きく変わる、と。

 

 まず、何かあると、

 すぐに、

 “できない”

 “私には力がない”とあきらめる人。

 それは「弱虫」である。

 その人にとって、

 未来は「不可能」でしかない。

 

 次に、手をこまぬいて何もせず、

 “私は知らない”

 “私には関係ない”と傍観する人。

 それは「卑怯者」である。

 その人にとって、

 未来はいつまでも「不可知」なまま、

 わからないままなのである。

 最後は不幸になるであろう。

 

 第三に、“断じて私は負けない”と

 雄々しく現実の真っただ中に飛び込む人がいる。

 その人こそ

 「哲人」であり「勇者」である、と。

 その人にとって未来は、

 「理想」として現れると論じている。

 明るく美しい未来が約束されている。

 

 三つの生き方に三つの未来。

 これは仏法の説く生き方にも通じよう。

 私どもも、

 この心意気で、

 進み、戦い、勝ちぬいてまいりたい。

 それが、輝く「わが人生の完成」となる。

 「勝利の完成」となる。

 「幸福の完成」となる。

 

2023年11月11日VOD新番組に収録された池田先生の指針

(1993年7月の本部幹部会から)


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2023年11月2日

本部幹部会への池田先生のメッセージ

慈折広布へ世界青年学会は進む

妙法こそ「生命尊厳」「万物共生」の音声

   

 一、「創立の月」、また、先師・牧口常三郎先生の「殉教の月」を迎え、「広宣流布大誓堂」の完成10周年を威風堂々と飾ってくれた、全宝友の尊き勇猛精進に、私は心から御礼を申し上げます。

 そして、「世界青年学会 開幕の年」への出発を祝し、最大の感謝と期待を込めて、三つの扁額をお贈りしたい(大拍手)。

 一、最初に、「世界乃友」であります。

 ここ大誓堂を中心に、192カ国・地域の創価の世界市民が誓願の祈りを合わせて、異体同心で戦い抜いてきた、この10年の平和・文化・教育の大前進が、どれほど目覚ましいものであるか。その一端として、2013年の時点で、175万人であった海外のメンバーが、今や、じつに五大州・300万人に及ぶ広がりとなったのであります(大拍手)。

 思い返せば「300万」とは、恩師・戸田城聖先生が生涯の願業であった「75万世帯」の達成に続いて、「大作、あと7年で、300万世帯までやれるか?」と託された、日本の広宣流布の大いなる指標でありました。

 私は「ますます勇気がわきます。先生のご構想は、必ず実現してまいります」とお約束し、弟子一同の団結で7年を経ず、5年にして成就したのです。

 今、「世界乃友」の300万になんなんとする人間革命の宝塔の林立を、「大法弘通慈折広宣流布大願成就」の御本尊の御前で、御本仏・日蓮大聖人と、牧口先生、戸田先生に、私たちは胸を張って、ご報告したいのであります(大拍手)。

 一、次に、「世界平和」であります。

 大聖人は、750年前、佐渡流罪の大難の真っただ中で「如説修行抄」に仰せになられました。

 「万民一同に南無妙法蓮華経と唱え奉らば、吹く風枝をならさず、雨壌を砕かず、代は羲・農の世となりて、今生には不祥の災難を払い、長生の術を得、人法共に不老不死の理顕れん時を、各々御覧ぜよ」(新601・全502)――全ての人々が一同に南無妙法蓮華経と唱えるなら、吹く風は枝を鳴らさず、雨は優しく降って土を砕かず、時代は理想とうたわれた伏羲・神農(=共に中国古代の伝説上の帝王)の時代のような世となって、今世では不幸な災難を払い長寿の方法を得て、人も法も共に不老不死の姿が現実となる時を、皆それぞれ御覧なさい――。

 妙法こそ、究極の「生命尊厳」「万物共生」の音声であり、「国土安穏」「世界平和」への根源の推進力であります。

 大聖人が、末法万年尽未来際を展望して示してくださった「立正安国」の対話の大道を、創価三代の師弟は「師子王の心」で貫いてきました。

 そして今、一念三千の哲理を掲げ、元初の旭日の大生命力を発揮して、「大悪おこれば大善きたる」(新2145・全1300)と人類の宿命転換に挑み抜く大連帯こそ、「世界青年学会」なのであります。

 不思議にも、開幕のこの時を選んで躍り出た宿縁深き不二の若人たちが、必ずや、平和凱歌の希望の鐘を未来へ打ち鳴らしてくれることを、私は祈り、信じてやみません(大拍手)。

 一、最後に、「我らは幸乃城乃仲間」であります。これは、総本部の本陣である東京・新宿区の同志に贈った書を、今回、新たに表装したものです。

 法華経には、「地涌の菩薩」たる我らは「各六万恒河沙等の眷属を将いたり」(法華経453ページ)と説かれております。まさしく「地よりか涌きたる我なれば この世で出さん仲間あり」であります。

 「仏種は縁より起こる」(新1953・全1467)と仰せのように、

 

 創立100周年へのこれからの7年、

 いよいよ聡明に仏縁を結び、

 いよいよ壮大に地球民族の仏の生命を

 呼び覚ましてまいりたい。

 そして、自他共に智慧と慈悲の光る

 「幸福城の仲間」を、

 喜び勇んで広げていこうではありませんか!(大拍手)

 

 結びに、

 「命限り有り、惜しむべからず。

 ついに願うべきは仏国なり」(新1283・全955)

 ――この御聖訓を

 「ついに願うべきは広宣流布なり、世界平和なり」

 と共々に拝し、深く強く心肝に染めて、

 私のメッセージとします(大拍手)。

 

2023年11月1日 11・18「創価学会創立記念日」第16回本部幹部会


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2023年10月25日

広宣流布は、

 「自分自身の中」

「家庭の中」

「近隣の人びととの絆の中」

「創価の法友の輪の中」

にある。

 

 「根ふかければ枝しげし、源遠ければ流れながし」(新261・全329)

 御本仏は「報恩抄」で、こう仰せになり、「万年の外未来までも」と展望された。

 いずこの世界であれ、持続可能な未来のためには、盤石な「根」を張り、豊かな「源」を満々と湛えねばならない。

 わが学会は、「慈悲曠大」なる日蓮大聖人の大誓願に連なり、月々日々に、一人一人が「人間革命」の信心の根を深め、「慈折広布」即「世界平和」へ団結の力を源に漲らせている。

 * * 

 一人を励まし育てる根っことなり、大法弘通の源流となるのは、最前線の「支部」であり「地区」である。

 今年は、広布第2章の「支部制」への移行を実施して45周年。当時、新出発に際し、私は申し上げた。――

 広宣流布は、

 「自分自身の中」

 「家庭の中」

 「近隣の人びととの絆の中」

 「創価の法友の輪の中」にある。

 ゆえに足元を固めよう!と。

 そして、この1978年(昭和53年)、私は新たな支部長・支部女性部長(当時・支部婦人部長)との熱い共戦の心に燃えて、日本中を東奔西走しながら、学会歌を綴り続けた。

 「常勝の空」を贈った関西には、1年間で7度、訪問したと記録されている。

 東京では、「ああ感激の同志あり」と、王者・足立をはじめ草創の父母の集いにも駆け付けた。

 夏には、「三代城」の北海道を横断し、お会いした友は延べ2万人を超えた。

 祈りを重ねて、中国、四国、九州、中部、東北、北陸、関東、東海道、信越、山梨へと、方面歌・県歌を贈らせていただいた。

 沖縄をはじめ勝利島部(当時・離島本部)の求道の友との総会も、懐かしい。

 「会合と個人指導の比率を2対8に」と呼びかけたのも、この年である。

 一対一の対話の積み重ねから、

 異体同心の「万事を成ずる」力が脈動するのだ。

 尊き個人会場のお宅にも私は勇んで足を運び、最大の感謝をお伝えしてきた。

 法華経には「人に勧めて坐して経を聴かしめば 是の福の因縁もて 釈・梵・転輪の座を得ん」(法華経526ページ)と説かれる。

 妙法の会座を提供してくださるご家族が、生々世々、大指導者の福徳に包まれることは、絶対に間違いない。

 この年の創立記念日には、大好きな“庶民の大城”荒川文化会館で本部幹部会を行い、「不死鳥のような生命力で生き抜き、断じて信心と人生の凱歌を!」と船出したのである。

 * * 

 いよいよ「世界青年学会 開幕の年」である。

 戸田先生は「創価の青年のたくましさを吹き込んでこそ、世界の青年層を力強く蘇らせることができる」と宣言された。

 我ら「創価青年家族」は、何ものも恐れぬ、たくましき師子王の心で進むのだ。

 全ての陰徳は陽報の根となり、源となる。わが支部から地涌の宝樹を林立させ、立正安国の大河を流れ通わせていこうではないか!

 

2023年10月25日〈池田先生と共に 新たな広布の勝利山へ〉


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2023年10月21日

創価の人間外交の極意の体得を!

 

 第33回各部代表者会議が20日、原田会長を中心に東京・信濃町の広宣会館(学会本部別館内)で行われた。

 池田大作先生はメッセージを贈り、民主音楽協会(民音)の創立60周年を祝福。創立者として、全国の民音推進委員をはじめ、陰に陽に支える全ての方々に心からの感謝を述べた。

 次いで、戸田城聖先生の“外交は生命力なり。勇気なり。誠実なり。執念なり”“立派な人間としての大外交で勝ちゆけ!”との指導を紹介し、民音招へいによるミラノ・スカラ座の“引っ越し大公演”(1981年)を実現して、感謝と絶賛を博した思い出を述懐。

 それは、当初は“夢物語”と笑われる中、若き情熱で体当たりした最初の渉外から16年をかけて実らせたものであると語り、「一波から万波を創り起こす」――この創価の人間外交の極意を、師弟不二なる君たちは、臆さず、焦らず、諦めず、賢く朗らかな不屈の祈りと挑戦の中で体得してほしいと訴えた。

 続いて、日蓮大聖人が試練の法戦に挑む青年門下・南条時光に、後継の信心をたたえて送った「あいよりもあおく、水よりもつめたき氷かなと、ありがたし、ありがたし」(新1887・全1554)、時光の母に宛てた「法華経はあいのごとし、修行のふかきはいよいよあおきがごとし」(新1834・全1505)を拝読。

 「青年の凱歌」から「世界青年学会の開幕」に進む今、我ら創価家族は世代も立場も超え、「従藍而青(藍よりして、しかも青し)」(同)を合言葉に、「世界広布」即「世界平和」の大誓願へ、いよいよ幸と希望拡大の対話へ打って出ようと呼びかけた。

 原田会長は、広宣流布大誓堂完成10周年を迎える今、先生の指針のままに進んだ学会は世界宗教へと飛翔を遂げたと強調。広布への決定した一念、目の前の一人を幸福にしゆく執念、実践の教学を体して、世界が渇望する平和と幸福の哲学を勇敢に語り、わが地域の三変土田へ先駆しようと訴えた。

 長谷川理事長、谷川主任副会長、西方青年部長があいさつし、橋詰未来部長、井出女子未来部長が新任の決意を語った。


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2023年10月9日

第53回創大祭 第39回白鳥祭

何ものにも屈しない勇気で

「幸福の大輪」「平和の大連帯」を

 

 金秋の天高く、青春の凱歌轟く創大祭・白鳥祭、誠におめでとう! 愛する君たちの英知の歌声に、錬磨の音律に、団結の舞に、大喝采を送っております。なかんずく、尊き留学生の皆さん、本当にありがとう!

 また、宝の小中高生の皆さんをお迎えできて、うれしい限りです。さらに、充実の研修を行われているマレーシア国民大学の方々を、改めて心から歓迎申し上げます。ようこそ、お越しくださいました。

 

 21世紀の開幕に呼応して誕生し、

 21世紀と共に青春そして人生の年輪を刻みゆく

 君たちは、あまりにも使命深き一人一人です。

 

 私は満腔の信頼を込めて、

 「君よ、希望の巌窟王たれ!

  『生命の世紀』の平和と人道の大行進を!」

 と呼びかけたい。

 

 60年前、「私には夢がある」と宣言した

 アメリカ公民権運動の若き指導者

 キング博士を先頭に、

 人種差別の撤廃を求める

 非暴力のワシントン大行進が行われました。

 平和と人道の人材群を渇望する

 世界の民衆に応えんと、

 私が創価大学の設立構想を発表したのは、

 その翌年の1964年です。

 

 キング博士の盟友で、高名な歴史学者である

 ハーディング博士と、私は対談集

 『希望の教育 平和の行進』を発刊しました。

 博士は

「希望の回復こそ、私たちにとっての第一の挑戦」

 であると語られています。

 

 ですから「私たちには希望がある」と謳い上げた

 創大祭・白鳥祭を、

 亡きハーディング博士もさぞかし喜ばれているでしょう。

 博士は創価教育を模範のモデルと評価し、

 最愛のご子息を

 創大の留学へ送り出してくださいました。

 

 希望とは試されるものです。

 困難を越えてこそ強くなる。

 学び磨いてこそ深くなる。

 貫き戦ってこそ大きくなる。

 ゆえに、

 君たちは何ものにも屈しない

 「希望の巌窟王」となって、

 先人たちの見果てぬ夢を受け継ぎ、

 「幸福の大輪」を咲かせ、

 「平和の大連帯」を広げていってください。

 

 結びに、

 ハーディング博士と語り合った

全ては勇気から始まる

 との信条を贈るとともに、

忍耐の今日、希望の明日、

 そこに栄光勝利の未来が生まれる」と申し上げ、

 私の祝福のメッセージとします。

 

2023年10月8日第53回創大祭 第39回白鳥祭 記念フェスティバル


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2023年10月6日

創価学園10・10「情熱の日」記念集会

 創価学園の10・10「情熱の日」を記念する集会が5日、東京・関西の高校、中学校、小学校を映像と音声で結んで行われた。創立者の池田大作先生はメッセージを贈り、試練こそ新たな勝利の舞台の「幕明け」であると強調。個性輝く団結で励まし合い、新たな力や可能性を呼び覚ましながら、立ちはだかる課題を突破してほしいと期待を寄せた。

試練は新たな勝利の幕明け!

自分を信じて壁を打ち破れ!

 

 「青年の強みは燃ゆるがごとき情熱にあり」とは、私の師匠・戸田城聖先生の信条です。その師を偲びつつ、愛する皆さんの「情熱旋風」の運動会や競技大会、また学園祭を、私は何より頼もしく見つめていました。「若獅子たち」一人一人の誇り高き「ビクトリー」に大拍手を送ります。

 私たちの宝の友人であり、創価教育に大いなる励ましを送ってくれている世界最高峰のジャズピアニストであるハービー・ハンコックさんも、「最大の情熱と熱意」をもって、偉大な芸術を創り出してこられた方です。

 ハンコックさんと親友のウェイン・ショーターさんと共に、私は半世紀にわたって黄金の友情を結んできました。てい談集(『ジャズと仏法、そして人生を語る』毎日新聞社)も発刊しております。

 思いもよらぬ失敗をしてしまった時や、限界までベストを尽くしても、これ以上、前に進めないという時、どうするかについても語り合いました。

 ハンコックさんは、そうした時に大事なことは、誰が何と言おうと、自分自身を深く「信頼」する勇気だというのです。そしてまた、一緒に前進する仲間を「信頼」することです。この信頼と勇気があれば、失敗や逆境さえも逆手にとって価値あるものに変え、必ず突破口を開くことができる。これが、不滅の名曲を生み出し続けているジャズの王者の恐れなき境地なのです。

 皆さんも、努力し前進しているからこそ、壁に突き当たり、悔しい思いや自信を無くすことがあるでしょう。しかし、その試練こそ、実は新たな勝利の舞台の「幕明け」なのです。負けじ魂朗らかに自分を信頼し、「勇気の一歩」を踏み出してください。「創絆一閃」とテーマに掲げた個性輝く団結で励まし合い、まだ自分も気づいていなかった新たな力や可能性を呼び覚まして、立ちはだかる課題を一つ一つ突破していただきたいのです。

 ハンコックさんをはじめ、世界中の平和・文化・教育の開拓者たちが、地球民族の未来へ、我らの学園から、生きる喜びの歌声が、生命尊厳の希望の曲が、そして限りない価値創造の舞が広がりゆくことを信頼しています。

 生きとし生けるものが、一年の実りを結び、命をつないでいく秋です。かけがえのない青春の一日一日、「Let,s try!! Let,s challenge!!」と情熱を燃やして、楽しく学び、たくましく鍛えゆこう! 風邪などひかないように!

 

2023年10月6日

創価学園10・10「情熱の日」記念集会への

池田先生のメッセージ


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2023年10月5日

我らは幸福城の仲間なり

試練に不屈の民衆連帯を!

今再び、

最も基本である勤行・唱題を大切に!

 

 それは、うれしい新出発であった。

 我らの団地部が結成五十周年の今この時、「幸福城部」という新名称で、新たな生命力を燃え上がらせて、希望の大行進を開始したのである。

 振り返れば、「昭和」から「平成」に変わった年(一九八九年)の晩秋だったと思う。関西の団地部の宝友が、朗らかに奮闘する皆の息吹を伝えるアルバムを届けてくれた。尊き笑顔の花また華に合掌しつつ、私は揮毫して贈った。

 

 「心は

   大きい 広い

      幸福城と。

 

 まさしく、「一身一念法界に遍し」(新135・全247等)と、大きい、広い心で、気高き同志たちは、誓願の団地・地域に「幸福城」を築いてこられた。

 これまで団地部の友が、

 どれほど誠実に日頃の挨拶から友情と信頼を広げ、

 どれほど聡明に助け合いの行動を重ね、

 どれほど粘り強く自治会の活動をはじめ、

 地域貢献を続けられてきたことか。

 ゆえに、宿縁深き団地が珠玉の

 「人間共和の合衆国」へと輝きを放ってきたのだ。

 

 今、多くの団地が少子高齢化などの

 諸課題に直面しているともいわれる。

 単身世帯も増えている。

 高層化やオートロック化など形態も変化しつつある。

 わが同志の使命はあまりにも大きい。

 私は、大切な皆様方の健康長寿を、

 妻と懸命に祈る日々である。

 

 日蓮大聖人は、「名は必ず体にいた(至)る徳あり」(新1665・全1274)と仰せになられた。

 

 創価の地域本部が先頭に立って、

 あの地この地に、

 生命尊厳と人間尊敬の共同体を!

 平和の「幸福城」を!と、

 願ってやまない。

 

よき人間関係を

 空晴れ渡る秋、米ボストン近郊のハーバード大学からの招聘で、二度目の講演を行ってより三十年――。この知性の殿堂近くに設立した国際対話センターを広場として、私たちは幾重にも平和・文化・教育の交流を重ねてくることができた。

 ガルブレイス博士(経済学)、ヤーマン博士(文化人類学)、コックス博士(宗教学)、ボールディング博士(平和学)、ドゥ・ウェイミン博士(中国歴史哲学)、ワイダー博士(文学)らと、世界へ未来へ語り留めた対談集も、多彩な広がりとなっている。

 ハーバード大学では、一九三八年以来、八十年以上、多くの家族を、世代を越えて科学的に追跡調査し、

 

 “健康で幸福な人生を送るための要因”について

 探究を続けてきたという。

 その最も重要な知見は、

 「よい人間関係が必要だ」という一点であった。

 

 実に貴重な、また、誠に示唆に富む研究だ。

 創価学会は、創立以来、

 「善知識たいせち(大切)なり」(新1940・全1468)

 との御聖訓のまま、

 まさに「善知識」すなわち

 最良の人間関係を結び合い、

 自他共に「健康で幸福な人生」の実証を無数に示してきた。

 

 恩師・戸田城聖先生が、各宗教について、

 その生活の実態を、

 科学的に五年、十年と追跡調査することを

 提唱されていたことも思い起こされる。

 

 まさに「道理・証文よりも現証にはすぎず

 (新1941・全1468)である。

 

 孤立や分断が深刻な時代だからこそ、

 ハーバード大学の講演で

 “「開かれた対話」の壮大な交響を”と申し上げた通り、

 いやまして社会へ、

 生命の絆の安全地帯を創り広げていきたい

 

「七年一変の説」

 世界中に結んだ、

 創価の励ましのネットワークは、

 後世へつなぐ至宝である。

 

 先日(九月二十九日)は、

 「中秋(陰暦八月十五日)の名月」が満月となり、

 黄金の光を見せてくれた。

 

 この夜、

 清新な未来部の担当者の若人たちが、

 次に名月と満月が一致する

 七年後の創立百周年を見つめ、

 力強くスタートを切った。

 

 「七年一変の説」――およそ七、八年、ないし十年で「機勢」は変転し、「人心が一変する」と洞察していたのは、今年で生誕二百年を迎えた勝海舟である。

 次元は違うが、我ら創価の師弟も、七年また七年と、広宣流布の勝利の鐘を打ち鳴らしてきた。

 御書には、地涌の菩薩の結集を「むさしの(武蔵野)のすすき(芒)のごとく、富士山の木のごとく、ぞくぞく(簇々)と」(新2090・全1245)と仰せである。

 

 創立百周年の壮大な人材群の広がりを、

 私は天の明鏡に映し出す思いで、

 祈り見守っている。

 

正心誠意で行け

 勝海舟は、「正心誠意」の四字を根本とした外交により江戸を戦乱から救った。

 彼は「確乎たる方針をたて、決然たる自信によって」進んでいった。そうすれば、「従来敵視していた人の中にも、互いに肝胆を吐露しあうほどの知己ができる」との信条からである。

 

 語らなければ、新たな時代は開けない。

 どこまでも誠意をもって語り抜けば、

 必ず相手の心は変わる。

 

 海舟は、

 江戸っ子らしい口調で

 古今の人物評を語り残したが、

 “昔の人は根気強かった”と挙げた筆頭が

 日蓮大聖人であった。

 「どうしても弱らない、

 どんな難局をでも切りぬける」と驚嘆している。

 

 我らには、

 この御本仏の御遺命である

 「世界広宣流布」を成しゆく、重大な使命がある。

 大聖人直伝の「法華経の兵法」がある。

 

 いかなる逆境もはね返し、

 味方をつくり、

 仲間を増やしながら、

 「不可能」を「可能」とし、

 一切を変毒為薬しゆくのだ。

 

立正安国の使命

 全国で実施された「教学部初級試験・青年部教学試験三級」に際し、求道の受験生の皆さん、応援してくれた皆さん、役員の皆さんを、改めて労い、讃えたい。合否を超え、一人ひとりの生命に計り知れない境涯の深まりと、福徳の広がりがあることを確信する。

 今回の範囲には、「立正安国論」も含まれていた。

 

 創価学会の「広宣流布の大願」は、

 即「立正安国の誓願」である。

 妙法を全世界に弘める使命は、

 全民衆の平和と安穏を実現していく使命と一体なのだ。

 

 昨今の自然災害、疫病、そして戦乱は、

 人類が大きな岐路に立っている現実を突きつけている。

 

 「安国論」では、

 社会の惨状を嘆く客に対し、

 主人が「このことを愁いて胸臆に憤悱す

 (新25・全17)と応え、

 「しばしば談話を致さん」(同)と対話が進められる。

 

 現実の悲劇を前に、

 嘆き悲しむだけなら、何も変わらない。

 どうすれば変えていけるのか。

 主体的に考え、真剣に祈り、

 共に打開への一歩を踏み出していく。

 ここに、日蓮仏法の魂はあるのだ。

 

苦難に光る哲学

 人がいかなる思想・哲学を持つか。

 それによって、

 意識が変わり、行動が変わる。

 そして現実が変わり、未来も変わる。

 

 仏法は、あらゆる人が尊厳な生命であり、

 一人ひとりに無限の可能性が具わっていることを教える。

 

 人間には、

 自然の脅威にも屈しない

 強靱さがある。

 どんな災難をも乗り越えていく

 勇気と希望があり、

 周囲の人びとと立ち上がっていく

 智慧と慈愛がある。

 

 そうした一人ひとりの力を育み、

 地域の人びとの力を糾合していくことが、

 必ずや災害に負けない社会を築く基盤となる。

 

 その中で紡がれ、結ばれた絆は、

 「いざ」という時に力を発揮するものだ。

 一九五九年(昭和三十四年)九月に起きた伊勢湾台風のことが、思い出される。

 特に、被害が甚大だった愛知と三重の被災者の救援に、私は学会の一切の責任を担う総務として、陣頭指揮を執った。

 直ちに県内・近県の青年部を中心に、同志が被災地に駆けつけて支援に当たってくれた。最前線から届く被害状況の報告に応じて、医薬品や衣料品などを送る手はずを整えるとともに、私も自ら現地に足を運んだ。相手が会員かどうかなど関係なく、目の前にいる被災した方々を全身全霊で激励させていただいた。

 

 今こそ命を守る主体者として立とう!

 地域のために心を合わせて動こう!

 皆がその決意で走った。

 炊き出しを始め、

 熱々のご飯で手を真っ赤にしながらも、

 おにぎりを握り続けた友がいた。

 そのおにぎりをボートに積み、

 水没した家々を回りながら被災者に配った友がいた。

 そうした学会からの救援の手は、

 どこよりも早く差し伸べられていたのである。

 

 苦難の闇の中に光る同志の献身は、

 大聖人が教主釈尊の出世の本懐

 (新1597・全1174)とまで言われた、

 尊き「人の振る舞い」そのものであった。

 それは、誉れの堅塁・中部の揺るがぬ土台である。

 

今ここで旗掲げ

 過日、四十四カ国・地域から代表が集った「SGI青年研修会」でも、リーダーたちは自身の課題と格闘しながら、地域ごとの問題や国土の試練に逞しく挑んでいた。

 ある友は“私にもできたように、誰もが幸の人生を開いていける”との確信を周囲に広げていると、誇り高く語っていた。

 

 絶望を希望に!

 宿命を使命に!

 一人立つ誓願の連帯を!

 

 私たちは、何があろうが、

 この不屈の覚悟で、

 今いる場所に根を張り、

 勝利の旗を掲げていくのだ。

 信頼と友情を深め、

 民衆と民衆のスクラムを築き、

 郷土のため社会のために、

 智慧と力を尽くしていくのだ。

 

 大聖人は、「家に讃教の勤めあれば七難必ず退散せん」(新1807・全1374)と引かれておられる。

 わが家に、わが地域、わが国土に、妙法の音声が響いているということが、いかに素晴らしいことか。

 

 今再び、

 最も基本である勤行・唱題を大切に、

 いよいよ朗らかに人間革命の舞を舞いながら、

 常勝の「健康城」を、「幸福城」を、

 そして「平和城」を勝ち光らせていこうではないか!

 

 ハーバード大学の研究はウォールディンガー&シュルツ著『グッド・ライフ』児島修訳(辰巳出版)。勝海舟の言葉は最初が『新訂 海舟座談』巌本善治編(岩波書店)、次が「氷川清話」『日本の名著32 勝海舟』所収(中央公論社)。

 

2023年10月5日〈随筆「人間革命」光あれ 池田大作〉


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2023年10月2日

池田先生が受験者にメッセージ贈る

 

受験者全員が

「広布の賢者」「正義の勝者」「福徳の博士」

 

 学会伝統の「教学部初級試験・青年部教学試験3級」が、1日の午後1時半からと同7時からの2回、全国各地の1408会場で行われ、7万5000人が受験した。

 

 教学部初級試験、また青年部教学試験3級を受験される皆さん、誠にご苦労さまです。

 皆さんがどれほど大変な状況のなか、懸命に研鑽に励んでこられたことか。本日、ここに集われたこと自体が、尊き求道の勝利の姿です。       御本仏・日蓮大聖人が全てを御照覧であります。合否を超えて、全員が「広布の賢者」「正義の勝者」「福徳の博士」と輝き光ることは間違いありません。

 混迷と分断が深まる現代社会にあって、万人の幸福を開く「生命尊厳」「人間尊敬」の仏法哲理を全世界に弘めているのが、わが創価学会です。その根幹である御書を学び合い、「広宣流布」「立正安国」を誓って、祈り行動しているのが、誇り高き地涌の同志の皆さんにほかなりません。

 どこまでも御本尊への「信心の二字」を根本として、仏縁を広げながら、一人一人の人間革命、そして人類の宿命転換へと、勇み進んでいこうではありませんか。

 受験者を真心から応援してくださった皆さん、また、役員の皆さん方も、本当にありがとうございます。最後まで無事故でお願いします。

 わが敬愛する宝の皆さんの健康と活躍と大福運を祈ります。

 

2023年10月2日聖教一面


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2023年9月30日

次なる100年を開きゆけ

首都圏の未来部長・未来本部長会

 

 新出発となる首都圏の未来部長・未来本部長会が29日、東京・信濃町の広宣会館(学会本部別館内)で開催された。

 

 これには池田先生がメッセージを贈り、

 この日の「中秋の名月」は「満月」であり、

 次に満月と一致するのが奇しくも、

 2030年であることに言及。

 創価の次の100年を勝ち開く宝の未来部を、

 名月のような、満月のような眼差しと声と笑顔で包み照らし、

 育んでほしいと呼びかけた。

 

 西方青年部長のあいさつの後、大見照子さんらが活動報告。

 続いて、新任の橋詰未来部長、井出女子未来部長、桜尾中等部長、宮岡女子中等部長が、青春時代の原点を胸に、次代の主役たちを全力で励まし抜く決意を披歴した。

 芦野新少年部長、押金少女部長は、少年少女部員の成長に尽くすことを誓った。

 石田女性未来本部長に続いて、池田主任副会長は、一人一人と真剣に向き合いながら、信心の歓喜と情熱を後継の友に語り伝えようと呼びかけた。

2023年9月29日首都圏未来部長・未来本部長会


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2023年9月27日

教学と共に広布の開拓を

第32回各部代表者会議

 26日東京・信濃町の広宣会館

(学会本部別館内)

池田先生のメッセージ

 

 春夏秋冬、尊き使命をたゆまず遂行し、

 時代の変化に即応しつつ、

 陰に陽に学会を厳護する友の奮闘に感謝

 「世間の治世の法を能く能く心えて候を、智者とは申すなり」(新1968・全1466)との御文を贈りたいと述べた。

 

 次いで、

 「教学」とともに、新たな広布の開拓を、新たな人材の拡大を――これが我ら師弟の勝利のリズムであると強調。

 第2代会長に就任した戸田城聖先生が

 「地区講義」を中心に教学運動の大波を起こした

 1951年(昭和26年)9月、師の名代として、

 神奈川の鶴見支部市場地区と埼玉の志木支部川越地区の

 講義に通い始めた歴史に言及した。

 

 さらに、池田先生は、

 御本仏が「持たるる法だに第一ならば、持つ人随って第一なるべし」(新516・全465)と仰せの通り、

 「第一の法」を持ち広めゆく「第一の人」を創る聖業を民衆の大地の真っただ中で展開してきたことが、創価の誇りであると力説。

 来たる教学試験の受験生と

 応援してくれる皆さんに題目を送りたいと述べ、

 世界同時進行の教学運動とともに、

 開かれた対話で「第一の青年」をいや増して育てゆこうと呼びかけた。

 

 最後に、埼玉での最初の地区講義の折、

 同志と命に刻んだ御金言

 「月々日々につより給え」(新1620・全1190)、

 「結句は、勝負を決せざらん外は、この災難止み難かるべし」(新1333・全998)を拝し、

 メッセージを結んだ。

 

2023.9.27付 聖教新聞一面


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2023年9月18日

VOD新番組に収録された池田先生の指針

(1994年3月の本部幹部会から)

 

王道を生きぬけ!

我らは永遠に民衆の味方

 

 「幸福な人」とは、

 どういう人か。結論的に言えば、

 それは「強い人」である。

 強い人は、何でも楽しめる。

 何かあればあるほど、ますます強くなっていく。

 

 日蓮大聖人は「兄弟抄」に

 「石はやけばはいとなる金は・やけば真金となる」(全1083・新1474)――石は焼けば灰となる。金は焼いて精錬すれば、いよいよすばらしい金となる――と仰せである。

 これが道理である。

 人間も同じである。

 強き“金の人”は、勝って真金となる。

 苦労に勝ち、戦いに勝ち、

 あらゆる迫害に勝って、

 いよいよ強くなる。

 一切の苦しみ、苦労を、全部、自分の栄養にできる。

 

 「煩悩即菩提」と、大聖人は仰せである。

 ゆえに、幸福になるために、

 喜んで苦難に立ちむかう。

 勇んで立ち上がり、迫害に挑戦する

 ――そこに煩悩即菩提で、

 本当の強い幸福が生まれ、

 固まっていく。

 これが、仏法の真髄の生き方である。

 

 生命力にあふれた「強い人」は、

 苦しみや悲しみをも、

 “幸福の要素”にしてしまう。

 いわんや仏法上の労苦は、

 「永遠の生命」に「永遠の幸福」を刻みゆく。

 

 活動においても、仕事においても、

 生きることは、ある意味で、悩みの連続である。

 それらを全部、

 幸福の要素、幸福の原因に変えられる

 不思議の法が「妙法」である。

 

 妙法は宇宙と生命の「永遠不滅の法」である。

 この法に「幸福の秘術」がある。

 

 ゆえに、うんと苦労することである。

 悲しみは避けられない。

 苦しみは避けられない。

 戦いは避けられない。

 諸君にも、いろいろな苦労があるにちがいない。

 苦労したほうがいい。

 全部、自分のためになる。

 

 ともあれ、

 一切が「自分を強くしていけるチャンス」である。

 “全部、自分のためだ”

 “もっと苦労しよう”

 “なんでも来い!”

 ――このように生き生きと、闊達に生きていける青年になってほしいと私は願う。

 

人材育成の鉄則

 さて、クラーク博士(1826~86年)といえば、

 「青年よ、大志を抱け」の言葉で有名である。

 博士は、札幌農学校(現・北海道大学)で、人材を育てた。

 日本にいたのはわずか10カ月。

 教壇に立った時間は限られていた。

 

 私も、青年部の諸君に対しては、

 いちいち指導して甘やかしたくない。

 すでに原理原則は全部、教えてある。

 あとは諸君が自分で何をするかである。

 

 クラーク博士は、

 どうやって、人を育てたのか。

 有名なエピソードがある。(以下、大島正健『クラーク先生とその弟子たち』新地書房などから引用・参照)

 農学校の開校にさいし、

 「校則」を決めることになった。

 参考の案が持ちよられ、

 第一条何々、第二条何々……と、

 延々と事務当局者によって読みあげられた。

 

 聞き終えたクラーク博士は、

 “そんなことで、人間がつくれるものではない”と、

 まっこうから反対した。

「今後自分が諸君に臨む鉄則は只一語に尽きる。

 “Be gentleman”(=ビー・ジェントルマン〈紳士たれ〉)。

 これだけである」

「自分の良心に従って行動するのである」

 

 私どもでいえば、

 自分自身の「信心」によって行動することである。

 こうして、自分で自分を律する気風ができていった。

 ただ一言、「ジェントルマンたれ」と教えた、

 そのなかに人材育成の「無量の種子」が入っていたのである。

 今、私も、ただ一言、言いのこしておきたい。

 「広宣流布の闘士たれ」と。

 

王道を生きぬけ

 「創価学会は宗教界の王者である」――。

 「3・16」に永遠に刻まれた、戸田先生の獅子吼である。

 この「王者」の誇りを決して失ってはならない。

 

 では、「王」とは何か。

 中国の歴史書『史記』には、

 「王者は民人を以て天と為す」

 (王者は民衆を天のごとく敬う)とある。

 

 王者とは、

 民衆を「天のごとく」最も大切にできる人間である。

 

 御書にも、「王は民を親とし」(全1554・新1886)と仰せである。

 民衆が王を大切にするのではない。

 王が民衆を敬い、最大に大切にしていくのである。

 これが道理であり、また仏法のとらえ方である。

 

 創価学会は、庶民を根本としている。

 庶民をだれよりも大切にしている。

 そして庶民と一緒に進んでいる。

 これが真の「王者」のいき方である。

 

 私どもは、

 だれが何と言おうとも“わが道”を行く。

 学会は、どこまでも庶民の中で、

 苦しんでいる人、

 悲しんでいる人、

 不幸な人の味方となってきた。

 だからこそ、学会は「王者」となった。

 このことを、私は強く訴えておきたい。

 

 諸君は若き「王者」である。

 「王子」であり「王女」である。

 ゆえに王道に生きぬいていただきたい。

 

 “会員がすべて”

 “会員が大切”

 “民衆がすべて”

 “民衆が大切”

 ――永遠にこの精神で進んでいただきたい。

 この道こそ、

 「王者の道」である。

 「幸福の道」である。

 「勝利の道」である。

 

1994.3.7第75回本部幹部会、全国青年部幹部会

(東京の創価国際友好会館〈当時〉で)


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2023年9月8日

恒久平和へ堂々たる前進を

 

 1957年(昭和32年)9月8日、恩師が発表された「原水爆禁止宣言」は、世界の民衆の生存の権利を脅かす魔性へ、真っ向から挑む師子吼であった。

 戸田先生は、地涌の青年の連帯があれば、この魔性は必ず打ち破れると、希望を託されたのである。

 ゆえに毎年、9月8日を原点とし、創価の若人の陣列をいよいよ強めるのだと、私は心に定めている。

 この7・8月には、第3の国連都市・ウィーンで開かれた核兵器不拡散条約再検討会議の準備委員会に、SGIが市民社会の一員として出席するなど、核兵器廃絶、世界不戦へ、民衆の正義の声を粘り強く広範に結集し続けてもいる。

 恩師の遺訓のまま、「絶対悪」との戦いは、一歩たりとも退くことはない。

* * 

 思えば、戸田先生の逝去から5カ月後の9月(1958年)、青年部の体育大会を開催した。「広宣流布への堂々たる前進」を合言葉とし、東京・国立競技場に全国から7万人の精鋭が集い合ったのだ。

 “学会は空中分解”等の悪口を笑い飛ばす歓喜踊躍の祭典となった。

 「未来の力、力、力。この青年あれば……と深く心によろこびの決意湧く」――この日(9月23日)の日記に書き留めた真情である。

 小説『新・人間革命』の連載が完結したのは、それから60年の9月8日であった(2018年)。

 「あとがき」で、わが同志が「山本伸一」として立ち、自身の輝ける「人間革命」の歴史を綴りゆくことを、私は願望した。そして、この世に不幸がある限り、広宣流布という人間勝利の大絵巻を、ますます勇壮に、絢爛と織り成そうと呼びかけたのである。

 5年の歳月を経た今月、五大州44カ国・地域から、若き凜々しき誓願の「山本伸一」たちを迎えることができた。「世界青年サミット」では、食糧危機の打開へ、アフリカと南米の代表が実践に裏付けられた洞察を交換するなど、妙法の世界市民の英知が融合する広場になったと聞いている。

* * 

 日本でも、各地に新しいリーダーが澎湃と躍り出て、本当にうれしい。

 御聖訓には「日蓮はこの法門を申し候えば、他人にはにず多くの人に見えて候え」(新2120・全1418)と仰せである。

 御本仏直伝の対話を、私たちは一人一人と重ね、「生命尊厳」「万人尊敬」の哲理の大光を送り、新たな価値を創造しゆくのだ。

 大学校生を先頭に、仏縁の拡大に走る男子部の雄姿は、何と頼もしいことか。

 明9日は「女子学生部の日」であり、男女学生部は秋の大学祭へ、尊き母校愛と友情の絆を深めている。

 希望輝く女性部は「ヤング白ゆり創春大会」に続き「華陽カレッジ」を行う。

 教学試験へ研鑽の金の汗を流す宝友、支える同志にも、エールを送りたい。

 創価の「未来の力」は無限なり。妙法のリズムに則り、健康第一、絶対無事故で、「11・18」創立記念日へ、さらに明年の「3・16」へ、「世界広布」即「恒久平和」の堂々たる前進を開始しよう!

 

2023年9月8日〈池田先生と共に 新たな広布の勝利山へ〉


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2023年9月3日

本部幹部会への池田先生のメッセージ

 

幸福と平和の創価の大王城を

世界の“山本伸一”の熱と力で

 

若き門下よ「新時代の青年室長」と光れ!

創価女性よ「勇気」と一体の「慈悲」の対話を

   

 一、世界広宣流布の若き誉れの指導者たちを迎えて、本当に嬉しい。

 御本仏は、数々の艱難を突破して来日した遠来の宝友を、一人一人、御照覧でありましょう。

 とともに、送り出してくださったご家族や同志の方々のことも、必ずや「大地よりもあつく、大海よりもふかき御心ざし」(新1742・全1314)なりと御賞讃であります。

 それぞれの国・地域の広布前進、和楽安穏、平和繁栄へ祈りを込めて、異体同心の大拍手で包みたいと思うのであります(大拍手)。

 一、本日は、広宣流布大誓堂の完成10周年に際し、大誓堂の「大」の文字を冠した三つの書を通して、地涌の世界市民にエールを送りたい。

 まず、「大光(大いなる光)」であります。

 1954年(昭和29年)の3月、戸田先生は、青年室を新設し、私を室長に任命されました。創価の若人が「太陽も月も星々も己心(わが心)にあり」という「宇宙即我」「我即宇宙」の生命哲理を掲げて、境涯を大きく開き、広宣流布の一切を構想し推進する原動力となれ、と託されたのです。

 この師匠の信頼に、断じて応えゆかんとする不二の弟子の闘争から、新たな価値創造の光が生まれ、大法弘通の威風堂々の大行進が加速しました。

 明年で70年――。私は、日本と世界の愛する若き門下に、君よ、新時代の青年室長たれ! そして、いよいよ壮大なる「人間革命」の光の連帯を結び、青年の熱と力で世界の民衆の生存の権利を守り抜き、照らし晴らせ! と申し上げたいのであります。

 一、次の書は、「大慈(大いなる慈悲)」であります。

 「報恩抄」には「日蓮が慈悲曠大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし」(新261・全329)と断言され、「御義口伝」には「『大悲』とは、母の子を思う慈悲のごとし。今、日蓮等の慈悲なり」(新1005・全721)と仰せです。

 この御本仏に直結する大いなる慈悲を、わが学会の母たち・女性たちが誰よりも深く温かく体現しているゆえに、慈折広宣流布の流れは決して行き詰まりません。

 人々の心が暗く淋しく凍てつく社会にあって、“白ゆり”と“華陽”のスクラムを中心に、「智慧」の源泉である「慈悲」の祈り、そして「勇気」と一体の「慈悲」の対話で、創価家族の明るく希望に満ちた「平和の文化」の世界を広げていただきたいと思うのであります。

 一、最後の書は、「大王城(大王の城)」であります。

 大聖人は、熱原の法難の渦中、迫害の矢面に立って、師匠をお守りし、同志を守り抜いていた若き南条時光に「金色大王(黄金に輝く大王)」という、釈迦の過去世における修行の物語を示されました。

 すなわち――金色大王は、長い長い大干ばつで飢えに苦しむ民衆を救うために全てをほどこし、最後にわずかに残った米まで、分け与えました。そして天に向かって、「一切衆生の苦しみに代わって、わが命を捧げよう」と叫んだのです。すると、ついに天も甘露の雨を降らせ、万民が蘇ったというのです――。

 ただただ民衆のため、正義のため、妙法とともに不惜身命を貫く「師子王の心」ほど、強いものはありません。

 「諸天舞え」と天をも動かし、一人一人の生命を蘇生させて、立正安国の宝土を創りゆく力があるのです。

 この金剛不壊の信心を燃え光らせて、尊き父母が築き上げてきた庶民の幸福と平和の「常勝の城」を厳護してまいりたい。

 そして、限りなく伸びゆく世界の“山本伸一”たちと共々に、地球民族の宿命転換を断固として成し遂げる、創価の金色の「大王城」を勝ち栄えさせゆくことを約し合って、私のメッセージとします(大拍手)。

 

2023年9月3日広宣流布大誓堂完成10周年へ!

 第15回本部幹部会 SGI青年研修会


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2023年8月28日

 

 ニュー・エラ大学学院「名誉文学博士号」授与式から

池田先生の謝辞(代読)

世界市民を育成する教育の連帯で

人類の永遠の勝利に向かって邁進

 

学生寮に冠した「飲水思源」の精神

歴史に学び未来を創造する

民衆立の使命と責任脈々と

 

 一、貴ニュー・エラ大学学院の素晴らしい校歌は、「教育こそ希望なり 開花の季節がいかに遠かろうとも 帰り来たりて咲き薫らん」と結ばれております。

 教育の本義と、人間生命の可能性への信頼が、何と誇らかに謳い上げられていることでしょうか。

 私には、万人の生命の尊厳と平等を宣言した仏典「法華経」にある「人華」という言葉が思い起こされます。

 この言葉を「アフリカの人道の大英雄」たるネルソン・マンデラ氏と語り合い、教育の力を軸に、人間性の花また華が個性豊かに、しかも仲睦まじく咲き薫る地球民族の未来を展望したのは、33年前になります。

 色とりどりのハイビスカスをはじめ多様な草木が生い茂り、多彩な民族・文化が共生する、豊穣な貴国マレーシアの大地にあって、若き世界市民の「人華」を爛漫と開花させ、結実させておられる大殿堂こそ、貴学院であります。

 ここに賜りました、最高に意義深き知性の宝冠を、貴学院と手を携えて尊い社会貢献を重ねてこられた、マレーシア創価学会の宝友と分かち合わせていただけることは、私にとりまして無上の喜びであります。

 誠に誠に、ありがとうございます。

 一、貴学院の学生寮の一つに「飲水思源」との名前が冠されていることを、私は感銘深く伺いました。

 先人たちの建設の労苦を決して忘れず、蓄積されてきた貴重な智慧を受け継ぎ、時代に即して発展させ次の世代へ託し伝える――。“民衆立”ともいうべき貴学院には、歴史の源流への崇高なる報恩感謝の心と、持続可能な栄光の未来への強靱なる責任感・使命感が脈々と流れ通っております。

 誠に麗しき精神性光る貴学院からの栄誉を、私自身もまた「飲水思源」の心で、第2次世界大戦中、平和と人道の信念を貫いて獄死した創価教育の父・牧口常三郎先生、また共に投獄され、戦後、人間革命の民衆運動を展開した、わが恩師・戸田城聖先生にささげさせていただきたいのであります。

 貴学院は、「多元的にして開放性をもって、人材を育成し、社会を源とし社会に還元する」との高邁なるモットーのもと、民衆に開かれ、人々の幸福と社会の繁栄に尽くすグローバルな大学として、実に目覚ましい発展を遂げてこられました。

 世界の150を超える大学と交流を結ばれ、人類の叡智と文化を探究し、新たな次元へと高めゆかれる貴学院の前進に、壮大な文明論的な挑戦の意義を感じとるのは、私一人ではないでありましょう。

 一、現代儒教研究の大家であり、ハーバード大学名誉教授のドゥ・ウェイミン博士と私は、これからの人類が志向すべき「学ぶ文明」「対話の文明」をテーマに、対談集を発刊しました。

 その中で、多様性が輝く世界観のイメージとして、ドゥ博士は湖の譬喩を挙げられました。

 すなわち、さまざまな起源を持つ川が常に新しい水を注ぎ込むことによって、湖はいつまでも新鮮にして豊かな状態を保つことができるという譬えです。

 それは、「多元主義と民主主義のダイナミズム」から、尽きることのない価値を創造されゆく、瑞々しい貴学院の活力と重なり合うのであります。

 校章には、N(New)の文字を背景にして、黄、赤、青の3色の旗がE(Era)の形をして高々と翻っています。この鮮やかな三色旗には、積極性、進取の気性、改革志向、楽観性、敬意、寛容性などが表現されていると伺いました。

 奇しくも、創価教育のイメージカラーもまた、赤、黄、青の3色であります。創価大学ではこの3色に、21世紀の世界市民が備えるべき要件として「勇気」「慈悲」「智慧」の意味を込めております。

 そして、この8月、第1期生を迎えた創価インターナショナルスクール・マレーシアでは、建学の精神として――

 徹して学ぶ「智慧の世界市民」たれ

 多様性を成長の糧としゆく「勇気の世界市民」たれ

 世界に友情を広げる「慈悲の世界市民」たれ

 ――との三つの指針を掲げ出発しました。

 貴学院という仰ぎ見る世界市民教育の鑑に続いて、「未来からの宝の使者」たちを全身全霊で育んでまいります。

 先師・牧口先生と恩師・戸田先生は、「教育の連帯による人類の永遠の勝利」を悲願としました。

 今日よりは、私もまた、貴学院に連なる一員として、命ある限り、この勝利へ向かって邁進しゆくことを誓い、御礼の言葉とさせていただきます(大拍手)。

 

世界広布新時代

創立100周年へ

2030年 

 

世界青年学会

開幕の年

(2024年)

2013.11.18

広宣流布大誓堂落慶

更新日

2024.4.17

第2298回

 

日天月天ワンショット

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