教育

2016年9月17日

  教育の根幹

 

使命の自覚を促す魂の触発

 

 大河内敬一が渡印したころ、インドは、干ばつによる食料不足や物価高騰、失業、汚職などから反政府運動が高まり、政情不安の渦中にあった。
 物情騒然とし、多くの外国企業が、インドから引き揚げていった。そのなかで、彼の留学生活は始まったのである。
 当然のことながら、英語で授業を受け、英語で試験に臨む。努力はしてきたが、語学の壁は高く厚かった。十一月の試験では、成績は、ほとんどの教科が最下位であった。
 “これを乗り越えなければ、インドで使命を果たすことはできない。負けてたまるか!”
 大学の寮で、深夜まで猛勉強に励んだ。そして、最優秀の成績で修士課程を修了し、さらに、国立ジャワハルラル・ネルー大学の博士課程に進むことができたのである。
 彼は、山本伸一の「未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は、急速に伸びることができる」との指導を嚙み締めた。
  
 伸一は、ニューデリーのホテルにあって、人間的にも大きく成長した大河内を見て、たくましさを感じた。手塩にかけた創価の若師子が、いよいよインドの大地を疾駆し始めたことが嬉しくて仕方なかった。
 高等部を、また、鳳雛会を、さらに未来部各部を、未来会等をつくり、広宣流布の人材の大河を開いてきたことが、いかに大きな意味をもつか――それは後世の歴史が証明するにちがいないと、伸一は強く確信していた。
 人は皆、各人各様の個性があり、才能をもっている。誰もが人材である。しかし、その個性、能力も開発されることがなければ、埋もれたままで終わってしまう。
 一人ひとりが自分の力を、いかんなく発揮していくには、さまざまな教育の場が必要である。その教育の根幹をなすものは、使命の自覚を促すための、魂の触発である
 伸一は、インド広布に生きるという大河内に、記念の句を詠み、贈った。
 「永遠に 君の名薫れ 霊鷲山」

 

小説新・人間革命 源流 13 (2016.9.16 Seikyo)

2015年10月26日27日

自らの生命の輝きをもって、

他者の無限の可能性を薫発せよ!


 彼女(ロシアの文豪トルストイの愛娘であるアレクサンドラ)が、偉大な精神を後世に伝えようと、日本滞在中に書いた回想記『トルストイの思い出』を出版したのは、85年前の1930(昭和5)年11月20日でした。
 奇しくも、わが創価学会の初代会長・牧口常三郎先生が、直弟子の第2代会長・戸田城聖先生と共に『創価教育学体系』を発刊した日から2日後のことでした。
 『トルストイの思い出』には、大教育者でもあったトルストイが、子どもたちに誠心誠意、関わり続けていた姿が生き生きと描かれています。
 トルストイは、教育に携わる真情を、こう記しました。「何の為に生きているのか? 幸福である為に」と。
 人間は幸福になるために生まれてきた――これがトルストイが導き出した結論です。
 牧口先生も、「教育は子どもたちの幸福のためにある」と訴えました。日本が一国をあげて軍国主義教育を推し進める中で、敢然と信念の教育改革を叫び抜いたのです。
 創価教育の主眼は、全ての子どもたちが歩めるように、価値創造の無限の力を自ら発揮していけるように促し、励ますことにあります。
 では、幸福を勝ち取るための創造力の源泉は、いったい、どこにあるのか。それは、ほかならない人間自身の内なる生命に、満々と湛えております。(中略)
 まさしく教育とは、子どもたちの生命の中に「幸福の源泉」を見いだして、そこから
 「智慧の水」
 「勇気の水」
 「慈悲の水」
 を尽きることなく汲み上げることによって、自他共の心と人生を潤していく営みといえましょう。(中略)
 近代日本美術の父・岡倉天心の忘れ得ぬ言葉には「我々の心に訴えるものは、技量というよりも精神であり、技術というよりも人間である」とありました。
 ダイヤはダイヤでしか磨かれないように、人間もまた、人間によってしか磨かれません。
 人間教育の真髄とは、日々練磨した確かな技量・技術を基礎としつつ、自らの生命の輝きをもって、子どもたちの無限の可能性を薫発していくことにあると、あらためて確認し合いたいと思うのであります。
 「子どもたちにとって最大の教育環境は、教師自身なり」とは、わが教育本部の皆様方が一貫して掲げてこられた指針であります。(中略)
 いやまして21世紀を担い立つ若き人材群が躍り出ることを祈り申し上げ・・・。(後略)

 

 2015.10.24付聖教新聞3面「第37回全国人間教育実践報告大会」でのメッセージ

2014年8月22日

教育とは「最高の芸術」である

 
――本物の独創性というのは、芸術家でなくても大切だと思います。これからの時代はとくに、もう「ものまね日本」ではやっていけないと思います。――
 そうなるでしょう。「創造性の競争」です。しかし、創造性というのは言うはやすく、実際には、なまやさしいものではない。血の涙を流しながらの戦いです。
 必ず保守的な人々の反対にあうし、理解されない孤独にも耐えなければいけない。勇気もいる。粘り強さもいる。目先の損得に迷わされない信念もいる。(中略)
 諸君は、日本と世界を、創造性あふれる文化的社会にしてもらいたい。
 二十世紀は、あまりにも人を殺しすぎた。二度の世界大戦をはじめとして――。
 人類史でいちばん「文明が進んだ世紀」と言われながら、歴史上、いちばん「野蛮な大量虐殺」をしてきたのが二十世紀なのです。アウシュビッツ、ヒロシマ・ナガサキ、南京(大虐殺)、スターリニズムなどは、その悲劇の象徴です。
 それは、「文明社会」の格好はしていても、人間を愛する「文化の心」がなければ、平和はないという教訓です。その心がなければ、「文明の利器」は、たちまち「悪魔の道具」に変わるのです。
 牧口先生は“教育とは「人格の価値」を創造する、最高の芸術である”と教えてくださっている。不滅の言葉です。
 芸術は、特別な人だけのものではない。人を育てるのも芸術です。自分を育てるのも芸術です。美しい人生、美しい行動、美しい祈り。全生命を燃焼させながら、人間らしく、美しい心と心を結んでいくことは、すばらしい平和の芸術です。
 耕された生命と文化が一体となって、二十一世紀の「人間文化」は生まれる。開花しゆく生命と芸術が一体となって「人間芸術」は生まれる。そのすばらしき「創造の世紀」を創っていくのが、諸君の使命なのです。

 

青春対話(1) 274頁

2013年12月20日

盆栽ではなく、大樹を!

 

 伸一は、演技を見ながら、子どもたちの成長に目を細め、教師に言った。
 「立派です。しかし、少し出来すぎのようにも思います。子どもたちが一生懸命に頑張るのはすばらしいことですが、型にはめて高い完成度を求める必要はありません。
 のびのびと、自由な雰囲気のなかで育てることです。もっと肩の力を抜き、力みすぎないようにすることも大事なんです。
 育むべき根本は、自主的、主体的な意欲です。美しい盆栽を育てるのではなく、大自然のなかで大地に深く根を張り、天に伸びる、堂々たる大樹を育てようではありませんか」

 

小説 新・人間革命 27巻 若芽50

2013年11月23日

大転換期を乗り越えるために

 

 「人類の未来のために、最も大切なものは何か。それは、経済でも政治でもなく、教育であるというのが、私の持論です。
 人類の前途は、希望に満ちているとは言いがたい現実があります。長い目で見た時、今日の繁栄の延長線上に、そのまま二十一世紀という未来があると考えるのは間違いです。社会の在り方、さらには、文明の在り方そのものが問われる大転換期を迎えざるを得ないのではないかと、私は見ています。
 したがって、深い哲学と広い視野をもち、人類のため、世界の平和のために貢献できる人間を、腰をすえて育て上げていく以外に未来はありません。そのための一貫教育です」

 
小説 新・人間革命 27巻 若芽28

2012年7月19日  

創価教育の父の思いを

 

創価教育の父・牧口常三郎先生は、『創価教育学体系』の発刊にあたり、自身の思いを、「児童や生徒が修羅の巷に喘いで居る現代の悩みを、次代に持越させたくないと思うと、心は狂せんばかり」と記している。伸一は、先師の、その慈愛の一念から生まれた創価教育を、人間主義教育を、人類の未来のために、伝え、生かしていくことを、自らの使命とし、最後の事業としていたのだ。そのための、創価幼稚園であり、創価学園であり、創価大学である。「教育の種を植えれば、未来は、平和の沃野へとつながる。私は、種を蒔く。今日も、明日も・・・・・。私は、この道を開く。全精魂を注ぎ尽くして。生命ある限り、生命ある限り・・・・・。私の一切は、若き人びとのためにある」と。

 

小説 新・人間革命 23巻 未来 103頁

世界広布新時代

創立90周年へ

「創価勝利の年」

(2019年)

2013.11.18

祝広宣流布大誓堂落慶

更新日

2019.10.21日

第1624回,第1625

 

日天月天ワンショット

日めくり人間革命URL