日めくり

2021年10月28日

第1761回

聖教新聞を日本中、

世界中の人に読ませたい」

 

<人間の機関紙>

 

 伸一は、かつて戸田城聖が、しばしば「聖教新聞を日本中、世界中の人に読ませたい」と語っていたことが、心に焼きついていた。その言葉を、必ず実現せねばならないと誓ってきた。そして、そのために、いかにして、聖教新聞を世界的な新聞に育て上げようかと、常に心を砕いていたのである。

 秋月は、「はい」と答えたが、正直なところ、「世界一流の新聞」と聞いて、驚きと戸惑いを覚えた。聖教新聞は、この年の八月まで週刊八ページ建てであり、ようやく九月から水曜日四ページ、土曜日八ページの週二回刊になったばかりであった。

 伸一は、聖教新聞の未来に、大いなる夢を馳せながら語った。

 「聖教は学会の機関紙だが、私は、同時に、人間の機関紙という考え方をしているんだよ」

 「人間の機関紙ですか」

 「そう。人間の機関紙だよ。一般の新聞は、暗いニュースに満ちている。それは、社会の反映だから仕方がないにしても、

 そうした社会のなかで、

 人びとが、どうすれば希望を見いだしていけるのか

 歓喜をわき立たせていくことができるのかを考え、

 編集している新聞はない。

 また、人生の苦悩に対して、いかに挑み

 克服していくかを教えている新聞もない。

 しかし、社会が最も必要としているのは、そういう新聞だ。

 それをやっているのは、聖教新聞だけじゃないか。そう考えていけば、聖教新聞はまさに〝人間の機関紙〟という以外にないじゃないか」

 秋月の顔が紅潮した。伸一は、グッと身を乗り出し、秋月を見つめて言った。

 「秋月君、聖教新聞の使命は極めて大きい

 学会にあっては、信心の教科書であり、

 同志と同志の心をつなぐ絆になっていかなくてはならない。

 また、社会にあっては、不正、邪悪と戦い

 仏法の慈光をもって、まことの人間の道を照らし

 万人に幸福と平和への道を指し示していく使命がある。

 軍部政府と命をかけて戦った、

 牧口先生、戸田先生の精神を受け継ぐ学会の機関紙以外に、

 本当の平和の道は語れないからね」

 

<新・人間革命> 第1巻 慈光 245頁~246頁

2021年10月28日

第1762回

聖教新聞は

『世界一流』の新聞に!

 

<一騎当千の記者>

 

 「戸田先生は、あの時代のなかで、ジャーナリストとして、ギリギリのところで戦われた。それこそ、聖教新聞が受け継がなくてはならない精神なんだよ。信念も哲学ももたない言論は、煙のようにはかないものだ。しかし、聖教新聞には、仏法という大生命哲理がある」

 秋月は、緊張した顔で、伸一の話に、じっと耳を傾けていた。ホテルの窓に、木漏れ水がキラキラと映えていた。

 秋月が尋ねた。眼鏡の奥の彼の目は、燃え輝いていた。

 「山本先生、聖教新聞が世界一流の新聞になるために、記事を書くうえで、最も心すべき点は、なんでしょうか」

 「まず、機関紙として、

 同志が確信と自信をもち、勇気がわくという記事を心がけるのは当然です。

 そのうえで、根本的には大仏法の慈悲の精神をもとに、世界の平和、人類の幸福の追求をめざすことだよ。

 国の利害やイデオロギーによるのではなく、地球民族、地球家族として、ともに人間の道を探り、創ろうという主張が大事になってくる。

 私は、聖教新聞を、『世界の良心』『世界の良識』といわれるような新聞にしなくてはならないと、かねがね思っている。これこそ、本来の大仏法の精神であるからだ」

 秋月は、自分の発想の殻を、大きく打ち破られた思いがした。彼は彼なりに、紙面の在り方を考えてはいたが、そこまで考えたことはなかった。

 「そのうえで大切なことは、

 一切衆生が皆平等という仏法の普遍的な哲理を、いかにわかりやすく、社会的に、現代的に、そして斬新に表現することができるかだ。

 つまり、万人にわかる開かれた言葉で、仏法を語ることだよ。学会員にしかわからない新聞では、社会には広がらない。

 まして会員でさえ理解できないような難解な新聞になったら、編集者の自己満足になってしまう。

 それから、社会が何を求め、何を必要としているかを、的確に見抜いていくことだ。

 仏法にも、学会の現実の姿のなかにも、社会が欲する、すべての解答が用意されている。それを、社会、時代のテーマに即して、常に示していけるかどうかだ。

 そして、日々革新だよ。時代も動いている。社会も動いている。人間の心も動いている。それに敏感に反応しながら、触発と共感の指標を提示し続けることだね。

 だから、見出しにせよ、記事にせよ、あるいは割り付けにしても、過去のものを踏襲して、それに安住しているようではいけない。

 新聞は生き物といってよい。鮮度の悪い魚は見向きもされないように、惰性に陥り、マンネリ化した新聞は、読者から見捨てられてしまうものだ」

 それは、明快にして要を得た指導であった。耳を傾ける秋月の顔には、次第に明るさが増していった。

 「秋月君、紙面を刷新していくには、結局は、記者の一念を刷新していくしかないんだよ。挑戦の気概を忘れ、惰性化し、努力も工夫もなく、受け身で仕事をするような記者では、何千人、何万人いようが、とても、世界の新聞とは、太刀打ちすることなどできない。必要なのは、全学会を背負って立ち、ペンをもって世界を変えようとする、師子のような、一騎当千の記者だ。そうした記者が、五人か十人もいれば十分だよ。本当の言論戦は、数ではないからな。世界一流の新聞ということは、世界一流の記者をつくるということなんだ。育てようよ、本物の記者を。広宣流布の戦いというのは、言論戦なんだから」

 聖教新聞は、編集部長である秋月の双肩にかかっていたといってよい。彼は青年部長として活動の中核を担いながら、毎号の新聞の発行に全力投球していた。この海外訪問でも、同行の幹部の一人として、メンバーの指導、激励にあたりながら、自ら写真を撮り、明け方近くまでかかって原稿を書き、それを本社に郵送していた。そのなかで、山本伸一を会長に迎えて新しい時代の幕が開かれた今、聖教新聞の未来は、いかにあるべきかを考え続けていた。しかし、霧がかかったように、明確な展望を見いだすことはできなかった。

 そんな秋月の気持ちを察して、山本伸一は、この日、聖教新聞について語り合ったのである。彼は、更に希望の未来図を語っていった。

 「やがて、十年か十五年もすれば、海外にも、聖教新聞の特派員や駐在員を、どんどん出すようになるだろうね。そして、聖教の記者が、各国の大統領や識者にインタビューしながら、仏法の平和思想を堂々と論じていくことが日常茶飯事になる時代が必ず来る。また、世界中の各界を代表する指導者が、どんどん聖教に原稿を書き、ともに恒久平和への道を探求するようにしようじゃないか。そうなれば面白いぞ」

 

<新・人間革命> 第1巻 慈光 254頁~257頁

2021年10月26日

最大の試練を越え希望の旭日を!

「第九の怒濤」(221×332センチ)。国立ロシア美術館蔵。1850年、画家アイヴァゾフスキー32歳の年の渾身の大傑作。海洋画の巨匠である彼は、60年にわたる画業の中で6000点以上の絵画を残している(©IanDagnall Computing / Alamy /amanaimages)

 芸術の秋企画「絵画は語る」。今回は19世紀ロシアの画家アイヴァゾフスキーの「第九の怒濤」です。古来、“嵐の波に周期があり、9番目に押し寄せる大波こそ最も恐ろしい”とする船乗りの言い伝えを踏まえ、苦難に打ち勝つ勇気が描かれています。

 

 「第九の怒濤」とは

 最も強大で

 最も峻厳とされる

 波浪のことである。

  

 だからこそ

 この最大の試練を

 耐え抜き

 乗り切ったならば

 大いなる活路が

 決然として

 開かれゆくのだ。

  

 そして

 まさに今が

 奮迅の力を振り絞って

 怒濤を乗り越えてゆく

 その瞬間なのだ。

  

 いよいよ最期か。

 いや

 生き抜くのだ!

 泳ぎ切るのだ!

  

 大波は観念しろと

 怒り狂うが

 この迫害に

 私は

 断じて降参せぬ!

  

 ここで

 泳ぎ切らなかったならば

 一生涯

 屈辱の波が

 自身の中に渦巻くからだ。

  

 荒波は高くなる。

 無限に高くなる。

 この波浪を乗り越え

 勝ちゆけば

 私は

 誰にも認められなくとも

 自分で自分を讃えゆく

 人生の大英雄と輝くのだ。

 

 「開目抄」には

 悪世末法にあって

 難の襲い来る様相を

 「波に波をたたみ」と

 仰せである。

  

 その波を

 一つまた一つ

 断固として

 堂々と

 勝ち越えてこそ

 広宣流布なのだ。

 

 見給え!

 無数の苦難と戦い

 疲れ果てた人々の

 彼方には

 人生の希望が満々とした

 旭日が輝き昇り

 大天空を

 照らし光らせている。

  

 熱い嬉し涙が

 込み上げる。

 そして

 悲しみを繫ぎ合わせた

 怒濤を

 貪り見つめる彼の目に

 豊かな

 永遠に変わらぬ

 緑の陸が見えた。

  

 彼は勝った!

 勝ったのだ!

 若き彼の胸に

 栄光の太陽が昇った。

  

 眺め終わって

 妻は

 私の顔を静かに見た。

 「あなたの人生と

  同じですね」

  

 「荒れ狂う

   怒濤に向かいて

    弛まぬは

   日の本 救う

     若人なりけり」

 十九歳のときの

 わが詩である。

  

 誰人たりとも

 人間は!

 人間は必ず!

 その人間の勇気には

 希望と平和の朝が

 待っているのだ!

  

 君よ

 再び決心して

 立ち上がれ!

 そこには必ず

 光の合図の

 勝利の太陽が

 待っているからだ!


日めくり御書

2021年10月8日

“覚悟の信心”に一人立て

 

 『ただ一えんにおもい切れ・よからんは不思議わるからんは一定とをもへ』(聖人御難事、1190ページ)

 

〈通解〉

 ただいちずに思い切りなさい。良いことがあるのは不思議であり、悪いことがあるのが当然と考えなさい。

 

池田先生が贈る指針

 滅不滅の大慈悲を現ずる御本仏は、最も尊く深く強い信念の極致を教えられた。それが信心だ。

 わが生命は妙法の当体なり、我らの誓願は広宣流布なりと思い切れば、恐れるものはない。難局を突破できる無窮の力と智慧が湧いてくるのだ。

 「必ず勝つと腹を決めよ。そして断じて勝て!」とは、恩師が示した勝利の真髄である。

〈御書の旭光を 池田先生が贈る指針〉56

あなたに贈る日めくり

もう一度日めくり

2018年12月4日

第1565回
人間革命の舞台は、
 「今ここ」に!

 

<全ての起点は、我が人間革命にあり!>


 1964年(昭和39年)の
 きょう12月2日、
 私は最も戦火に苦しんだ沖縄の地で
 小説『人間革命』の筆を起こした。
 「戦争ほど、残酷なものはない。
 戦争ほど、悲惨なものはない……」
 世界不戦は、わが魂の叫びである。
 その思想を、
 人々の胸中深く打ち込み、
 友情の橋を懸けるために、
 私は、書き続けてきた。

 

 すべては、
 自己自身の変革から始まる。
 生活も、事業も、
 教育も、政治も、
 また経済も、科学も、
 いっさいの原点は人間であり、
 自己自身の生命の変革こそが
 すべての起点となる。

 

 人の幸福を祈れば、
 その分、自分が幸福になっていく。
 人の健康を祈れば、
 その分、自分の健康も守られる――
 これが妙法の不思議な力用である。
 「利己」と「利他」の
 どちらに力点があるかで、
 人間の偉大さは決まる。
 信心が本物かどうかも決まる。
 皆さまは、
 法のため、友のため、
 真剣に祈り動いて、
 「利己」から「利他」へと、
 ダイナミックな生命の転換を、
 偉大なる人間革命を
 実現していただきたい。

 

 人間革命の舞台は、
 どこか遠くにあるのではない。
 「今ここ」にある。
 そのドラマは、
 いつか始まるのではない。
 眼前の課題に、勇んで祈り、
 立ち向かう。
 この一瞬から幕を開けるのだ。
 真剣勝負の戦いの中にこそ、
 人間革命がある。

 

<池田大作先生 四季の励まし>2018年12月2日

今月のメッセージ

2021年10月度

仏性を呼び覚ます対話の渦を 

 

 1961年10月、築かれて二カ月後の「ベルリンの壁」を私は目の当たりにし、人々を引き裂く魔性に憤怒した。

 それは、師・戸田城聖先生が第一の遺訓とされた「原水爆禁止宣言」で、世界の民衆の生存の権利を脅かす根源と喝破した魔性そのものである。この魔性に打ち勝つ究極の力こそ、人間生命に内在する仏性にほかならない。

 私は、三十年先には必ず壁が破られていることを深く祈るとともに、仏性を呼び覚ます対話の渦をと誓った。

 日蓮大聖人は、全宇宙の仏菩薩をはじめ、「日月・明星」から「那落の炎の底まで」含め、「所有(あらゆる)一切衆生の備うる所の仏性を妙法蓮華経とは名くるなり」(御書498頁)と示された。

 ゆえに妙法を一遍唱えれば、一切衆生の仏性を皆、呼び集め、我が身の仏性も顕し出せると仰せである。

 自行化他の題目を唱えゆく地涌の生命ほど、強く大きなものはない。天空も、大地も、生きとし生けるものを包み込み、絶望や不幸、不信や対立の壁に閉じ込められてきた人間の本然の力たる仏性を解き放ち、結び合いゆく壮大な前進こそ、我らの広宣流布である。

 わが誉れの同志は、一人一人の宿命の壁に体当たりでぶつかって「人間革命」に挑むと同時に、万人の幸せと国土の安穏を祈り、心の壁を取り払って、地球上いずこの地にも「立正安国」のスクラムを広げてきたのだ。

 分断の象徴「ベルリンの壁」は二十八年後に崩壊した。私の一歩から六十年の今、統一ドイツをはじめ全欧州で、尊き創価の世界市民たちが異体同心の団結で、コロナ禍にも屈せず、平和と共生の連帯を輝かせてくれている。

 東西冷戦の終結の立役者ゴルバチョフ氏と語り合ったことが蘇る。「今再び、『あきらめの壁』『無力感の壁』を青年の勇気で破ろう!」と。

 行く手に、いかに高く厚い壁がたちはだかろうとも、地走る者の王・師子王の如く何ものにも遮られない師子吼を轟かせ。空飛ぶ者の王・大鷲の如く一切の障壁を悠々と見おろして、生命尊厳の勝利の虹の橋を架けるのだ。

 

 妙法に

  破れぬ無明の

   壁はなし

  平和の師子吼を

    王者の我らは

 

2021年大白蓮華10月号№864 巻頭言


日天月天ワンショット

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世界広布新時代

創立100周年へ

希望・勝利の年

(2021年)

2013.11.18

祝広宣流布大誓堂落慶

更新日

2021.10.28

第1761回

第1762回

  

日天月天ワンショット

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