文化・芸術・スポーツ

2021年12月2日

第1808回

音楽・芸術に「敵」は無し

 

 <「埴生の宿」「庭の千草」>

 

 山本伸一は、ビルマで戦死した長兄のことを考えるたびに、いつも、竹山道雄の小説『ビルマの竪琴』を思い浮かべた。

 ──それは、ビルマ戦線に送られた一兵士が、終戦後、日本に帰らず、僧となり、同胞の遺骨を弔って生きることを決意するという小説である。

 そのなかに、終戦を迎えながらも、それを知らずに敗走する日本軍の一隊が、イギリス軍に包囲される場面がある。この隊は、音楽学校出の隊長の影響で、よく歌を合唱した。この時も合唱の最中であった。

 近くには爆薬を積んだ荷車がある。戦闘が始まり、その爆薬が銃火を浴びれば全滅してしまう。まず、その荷車を、移動させなければならない。

 日本兵は、イギリス軍の包囲を知らぬかのように、皆で楽しげに「庭の千草」と「埴生の宿」を歌いながら、荷車を安全な場所へ運んだ。

 荷車を運び、合唱が終わって、日本兵が突撃に入ろうとすると、今度は、周囲から「埴生の宿」の調べが聞こえてきた。

 イギリス兵が歌っているのだ。歌は英語であったが、曲は同じである。

 さらに「庭の千草」の調べが響いた。

 「埴生の宿」も「庭の千草」も、イギリスで古くから愛唱されていた歌に、日本語の歌詞をつけたものである。イギリス兵にとっては、なじみ深い曲であった。

 敵も味方もなく、両軍の兵士たちは、声を合わせて歌った。

 戦闘は始まらなかった。互いに兵士が出て来て手を握り合った。

 日本兵は、そこで三日前に戦争が終わったことを知った。

 歌が人間の心と心をつなぎ、無駄な血を流さずにすんだのである。

 音楽や芸術には、国家の壁はない。それは民族の固有性をもちながらも、普遍的な共感の広がりをもっている。

 ラングーンの街を巡りながら、伸一の脳裏に、ある考えが兆し始めた。それは思索を重ねるうちに、次第に一つの明確な像を結び始めていった。

 

<新・人間革命> 第3巻 平和の光 308頁~310頁

 

2016年7月25日

音楽・文化・芸術に生命変革の力あり!

 

<歌を歌って前進していこう!>

 

 全宇宙が、
 生命の音楽を奏でている。
 星々も、地球も、花も樹々も、
 人間も また大地も大海も、
 それぞれが
 自らの歌を歌っている。
 仏法では
 「耳根得道」とも説いている。
 耳から入る音こそ、
 生命のもっとも深みに届き、
 深層を揺さぶり、
 変革する力をもっている。
  
 「文化の力」は偉大である。
 人間の心を潤し、
 心を広々と開いていく。
 もちろん、真実の宗教もまた、
 人々の心を
 豊かに育んでいくものである。
 言うなれば、
 宗教と文化は表裏一体である。
 学会は永遠に
 「文化を大切にする団体」として
 進んでまいりたい。
  
 芸術は、
 特別の人だけのものではない。
 人を育てるのも芸術である。
 自分を育てるのも芸術である。
 美しい人生、
 美しい行動、
 美しい祈り。
 全生命を燃焼させながら、
 人間らしく、
 美しい心と心を
 結んでいくことは、
 素晴らしい平和の芸術である。
  
 歴史が動くとき、
 そこには歌があった。
 学会は、
 歌とともに進んできた。
 歌で勝ってきた。
 歌は、力の源泉であり、
 勇気の源泉であり、
 喜びの源泉である。 
 さあ、力強く、
 歌を歌って前進していこう!

 

2016年7月24日付聖教新聞 四季の励まし

2014年8月22日

 

教育とは「最高の芸術」である

 

――本物の独創性というのは、芸術家でなくても大切だと思います。これからの時代はとくに、もう「ものまね日本」ではやっていけないと思います。――
 そうなるでしょう。

 「創造性の競争」です。

 しかし、創造性というのは言うはやすく、

 実際には、なまやさしいものではない。

 血の涙を流しながらの戦いです。
 必ず保守的な人々の反対にあうし、

 理解されない孤独にも耐えなければいけない。

 勇気もいる。

 粘り強さもいる。

 目先の損得に迷わされない信念もいる。(中略)
 諸君は、日本と世界を、

 創造性あふれる文化的社会にしてもらいたい。


 二十世紀は、あまりにも人を殺しすぎた。

 二度の世界大戦をはじめとして――。
 人類史でいちばん「文明が進んだ世紀」と言われながら、

 歴史上、いちばん「野蛮な大量虐殺」

 してきたのが二十世紀なのです。

 アウシュビッツ、

 ヒロシマ・ナガサキ、

 南京(大虐殺)、

 スターリニズムなどは、

 その悲劇の象徴です。
 それは、「文明社会」の格好はしていても、

 人間を愛する「文化の心」がなければ、

 平和はないという教訓です。

 その心がなければ、

 「文明の利器」は、

 たちまち「悪魔の道具」に変わるのです。


 牧口先生は

 “教育とは「人格の価値」を創造する、最高の芸術である”

 と教えてくださっている。

 不滅の言葉です。
 芸術は、

 特別な人だけのものではない。

 人を育てるのも芸術です。

 自分を育てるのも芸術です。

 

 美しい人生、

 美しい行動、

 美しい祈り。

 全生命を燃焼させながら、

 人間らしく、

 美しい心と心を結んでいくことは、

 すばらしい平和の芸術です。


 耕された生命と文化が一体となって、

 二十一世紀の「人間文化」は生まれる。

 開花しゆく生命と芸術が一体となって

 「人間芸術」は生まれる。

 そのすばらしき「創造の世紀」を創っていくのが、

 諸君の使命なのです。

 

青春対話(1) 274頁

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2013年11月22日

普遍的な広場

 

 「仏法のすばらしさを、

 より多くの人々と分かちあうには、

 文化・教育・平和という

 普遍的は広場をつくらなければいけないのです。
 昔の学会は、色でいえば、『灰色』です。

 それをカラフルな彩りに、変えたのです」

 
大白蓮華No.768号2013.11月号28頁

2013年10月27日

 自行化他の実践こそ、

最高の人間芸術

 

 「芸術は私たちの中にある『聖なるもの』の表現なのです
  と。(ユッタ・ウンカルト=サイフェルト女史)

 鍛錬と精進を貫き、
 研ぎ澄まされた創造的生命から現れる
 本然の輝き――それは、
 わが生命の尊さ、
 内なる「聖なるもの」への
 目覚めを促すに違いない。

 そして、我らの自行化他の実践は、
 自らの心を磨き、
 万人の心を開きゆく聖業といえまいか。
 皆で励まし合いながら
 最も尊貴な仏の生命を輝かせていく連帯は、
 「最高の人間芸術」なのであると、私は思う。
 (中略)
 ともあれ、現実の生活の中で、
 喝采があろうがなかろうが、
 人びとの心に希望の光を送り、
 幸福劇に導く我らの広宣流布こそ、
 究極の「平和の文化」の創造ではないだろうか。
 
 聖教新聞2013.10.24付我らの勝利の大道117

2013年10月26日

 文化交流こそ平和の近道

 

 中国の国学大使・饒宗イ博士は、
 「第一級の作品」が持つ感化力に注目され、
 「勇気や希望を心に灯し、
  或いは清澄は心を引き出すのが、
  真の芸術といえましょう」と、私に語られた。
 芸術は、人びとの魂を鼓舞する。
 心を豊かにし、
 前進への力を漲らせる。
 たとえ言語や民族、歴史、風土の違いがあっても、
 芸術に国境はない。
 人間と人間を近づけ、
 心と心を結ぶ不思議な力がある。
 私が民主音楽協会(民音)や
 東京富士美術館(富士美)を創立したのも、
 その一助となればとの思いからである。
 当時は東西冷戦下――。
 ”文化の力で世界を平和に!〟という願いなど、
 夢物語だと笑う人もいた。
 しかし私には、
 どこの国であろうと、
 そこに住んでいるのは、
 同じく平和を願う「人間」であるという確信があった。
 平和だから文化運動をするのではない。
 平和のために文化運動を断行するのだ。
 私は青年に語ってきた。
 「地味な作業かもしれないけれど、
  文化交流が一番の平和の近道なんだ」
 ゆえに、
 人びとに一流の芸術を!
 文化の力で平和の人間世紀を!
 
 聖教新聞2013.10.24付我らの勝利の大道117

2013年10月25日

 一流を見よ!

 

 「一流を見よ!」とは、
 一貫した師の薫陶である。
 妙法は、大宇宙を貫く根本の大法だ。
 あらゆる次元において、
 滾々(こんこん)と尽きせぬ価値を創造できる
 「活の法門」なのである。
 この一切を活かせる
 最高の哲学に若くして巡りあったからこそ、
 君よ、求めて一流に触れ、
 世界を舞台とする平和指導者に育ちゆけ、
 と期待されたのだ。

 では、求めるべき一流とは何か。
 何をもって自身を高めていくのか――。
 恩師が常に凝視されていたのは、
 誠実に精魂を傾けた仕事かどうか
 という一点であった。
 世間の評判ではない。
 自分の仕事に誇りを持ち、
 何事もゆるがせにしない
 真剣さがあるかどうか。
 そこに一切の基準を置かれていた。

 そして、青年に対して、
 「誠実に生きるのだ、
  尊い自己の使命を果たし抜け」と、
 真実一路の生き方を教えてくださったのである。
 一流の文学を読む。
 一流の音楽を聴く。
 一流の絵画を観る。
 一流の魂に触れる、
 その切磋琢磨によって、
 一流の人格も磨かれるのだ。

 私と不二の青年は、
 創価の平和と文化の大運動の中で、
 世界第一級の芸術もわが友としながら、
 気宇壮大に前進していただきたい。
 
 聖教新聞2013.10.24付我らの勝利の大道117

2013年6月2日

 「文化」とは何か?

 自分の名誉や、
 もうけではなく、
 「皆を喜ばせたい」という心。
 その心をつくっていこうというのが、
 本当の芸術であり、
 文化です。
 今の知識人や、
 権力者には、
 この点がわかっていない。
  
聖教新聞2013.5.27我らの座談会
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