歴史観

2014年6月4日

道を明らかにせよ! 

  
 司馬遷は言う。
 「(史書の)『春秋』を見ると主君を殺害した国が36、国そのものが滅びた例が52、指導者が自国を保てず逃げてしまった例は数えきれない。その原因を調べると、皆、基本的なものをなくしたことに尽きる。『易経』ではこう言っている。『毛すじほどの狂いも末には千里の狂いとなる』と」
 一時の政策等ではない。偶然や外圧によるだけでもない。一国の滅亡の根本的原因は、“人間の基本”をなくしたところに尽きる――司馬遷の哲学的な視点に、私は、感銘をおぼえる。
 豊かになれば、地位を得れば、そして権力を握れば、人間は知らない間に人間としての基本を見失う。そこから、崩壊が始まる。すべては人間から発している。
 仏法では一念三千と説くが、人間の心、一念で決まる。そのわずかな狂いも、後には一国をも左右する。とくに指導者の一念が決定的である。
 司馬遷は、それを鋭く見ぬいた。
 一国の盛衰は偶然ではない。「人道」の基本が崩れた時、すでに滅びは始まっている。反対に、基本・原点を忘れず、忠実に実践しているかぎり、栄えは続く。
 だからこそ、「道」を明らかにせねばならないというのである。後の人が、「この道を行けば」と、はっきりわかり、迷わないために、堂々と、誇りをもって歩んでいけるために。

 
1991.5.5創価教育同窓の集い

2014年6月3日

王道を万代に示せ! 

  
 「王道」――社会と人間の「本筋」は何か。歩むべき正しき道は何か。「裏道」ではなく、「メーン・ストリート」は、どこにあるのか。
 人さまざまである。人を裏切り、権力と栄華を手にする者も、たくさんいる。正義を貫いたがゆえに、一族を滅ぼされた者も多い。
 人の功績を盗み、世に時めく者もいる。人に功績を譲り、自分は世に出ない者もいる。
 恩を忘れ、「うそ」と「策略」で要領よく立ち回り、それでも、世俗に迎合するゆえに、“人格者”と尊敬される者もいる。
 ――これでは、社会は荒野であり、ジャングルである。人が歩むべき「道」が見えない。
 乱世にあって、何が正しく、何が偽りなのか。何が疑わしく、何が真実なのか。
 表面ではなく、物事の奥底にひそむ「事実」への探求の眼をもて。天地のあらゆる事象を考究し、整理し、明らかな筋道を立てよ。天地と歴史を貫く「大道」を万代に示せ。基準を残せ。


(※真の歴史家・・・周公旦、孔子、司馬遷、トインビー博士他)

 
1991.5.5創価教育同窓の集い

2014年6月2日

「正しき歴史」を残せ! 

  
 大切なのは、「正しき歴史」を残すことである。「事実」は何だったのか。「真実」はどこにあったのか。それを明らかにし、万人に示す。簡単なようで、これほどむずかしいことも少ない。
 極論すれば、「歴史」の大半は改竄され、ゆがめられ、捏造されている可能性がある。それが世の中である。
 時の権力者の顔をうかがい、時の勢いの尻馬に乗り、利害と計算ずくで、「事実」を曲げて書く。曲げられ、作られた「事実」が独り歩きして、いつしか本当の「歴史」として残されてしまう。恐ろしいことであるが、決して珍しいことではない。いつの世もそうであった。
 「真実」は「真実の人」でなければ書けない。「正義」は「正義の人」でなければ伝えきれない。人を離れて文はなく、歴史もないからだ。
 本当の「客観性」「公平さ」とは、無責任な傍観者的傲(おご)りからは生まれない。つねに、あえて「迫害される側」に立つ――その熱き人間性と勇気、自己を律する理知をもつ人のみが、「真実を残す」という峻厳な仕事を担える。

 
 1991.5.5創価教育同窓の集い

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