無冠の友

2018年4月14日

第1501回

聖教新聞の使命

 

<民衆を賢明にし、

民衆を強くし、

民衆を団結させる>

 

 聖教創刊の年の初め、戸田先生が「大作、読みなさい」と薦めてくださった本がある。英国の作家ホール・ケインの名作『永遠の都』である。
 舞台は、戸田先生の誕生の年と同じ一九〇〇年のローマ。独裁者の横暴に立ち向かう、主人公のロッシィが“武器”としたものは、新聞であり、ペンの力であった。彼が健筆を振るった新聞の名は「サン・ライズ」すなわち「日の出」である。
 民衆による、民衆のための「無血革命」に、いよいよ立ち上がるという前夜に、ロッシィは記事を何度も書き直した。
 原稿を書いては破り、また書いては捨て、ロッシィは命を振り絞るようにして檄文を認める。
 託したメッセージは「恐れるな」「人間を信ぜよ」「生命を尊重せよ」。さらに彼は呼び掛ける。「勇敢であれ。自信を持て。忍耐強くあれ。明晩、諸君の叫び声は世界の果てまでとどろきわたるだろう」
 権力の弾圧に屈せず、若き革命児は信念を師子吼し、民衆は感涙した。そして「人間共和の都」建設へ、時代の扉が大きく開かれていくのだ。
 戸田先生は、こうした新聞制作の場面を通して、眼光鋭く教えてくださった。
 「これが戦いだ。革命は思想の啓発だよ。われわれも新聞を作ろうではないか」
 先生は、自ら、この「ペンの戦い」の最前線に立たれた。
 激務の間隙を縫って、ポケットにしのばせた原稿を取り出しては、推敲されるのが常であった。
 それは、「どうすれば聖教新聞を通して、学会精神を愛する同志に真っ直ぐ伝えることができるのか」という思索と葛藤の連続闘争であり、精神闘争であった。
 私も恩師の心をわが心として、聖教連載の小説『新・人間革命』第三十巻の最終章をはじめ執筆にいそしむ日々である。
 ロッシィは叫んだ。「知力を養え!」「団結せよ!」「これがわれわれの合言葉であり、われわれの戦う武器なのであります」
 民衆を賢明にし、民衆を強くし、民衆を団結させる――創刊以来の聖教新聞の使命である。
 聖教こそが、広宣流布へ威風堂々と進みゆく、我ら創価学会の正義の言論の武器である。 

虚偽は建設せず


 今やインターネットの発展により、膨大な情報が瞬時に世界を駆け巡る時代だ。その速報性、利便性は、確かに、大きなメリットである。
 一方で、「フェイクニュース」と呼ばれる虚偽の情報や、「匿名」の隠れ蓑をまとって人を貶めるための悪意の言葉があふれているのも、懸念される点であろう。
 そうした虚言や悪口は、自身の野心や疚しさを隠して、他者を陥れ、差別や分断を助長することを狙いとしている場合が、あまりに多い。
 大文豪ゲーテは、「悪意」や「悪口」、また「否定するしか能のないもの」を厳しく戒め、「破壊するときなら、どんなに誤った論拠でも通用するが、建設するときにはけっしてそうはいかない。真でないものは建設しない」とも喝破していた。
 今、社会に世界に求められているのは、何より「真実の言論」である。「建設の言論」「結合の言論」である。そして「価値創造の言論」であるといってよい。
実語は人を助く
 日蓮大聖人は「人をたすくれば実語」「人を損ずるは妄語」(御書八九〇ページ)という明確な基準を示されている。
 そして「法華経は実語の中の実語なり・真実の中の真実なり」(同一四〇五ページ)と仰せだ。
 法華経の精髄たる日蓮仏法は、全ての人間に内在する最極の「仏」の生命を見出し、顕現しゆく方途を説き切っている。互いに尊重し合い、尊敬し合い、励まし合い、助け合う中にこそ、真に人間らしい生き方があることを明かしているのだ。
 まさしく「結合の法」である。当然、結合への道程にはさまざまな困難や葛藤がある。しかし、諦めることはない。日々、妙法を唱え、智慧と誠実と慈悲の言葉――「実語」を重ねつつ、あらゆる差異を超えて、一人また一人と、結び合わせていくのである。
信念の言に力が
 大聖人は、青年・南条時光に呼び掛けられた。
 「とにかくに法華経に身をまかせ信ぜさせ給へ、殿一人にかぎるべからず・信心をすすめ給いて過去の父母等をすく(救)わせ給へ」(同一五五七ページ)と。
 同じ生きるのならば、究極の生命尊厳の法理を掲げ、「平和の地球」を築きゆく広宣流布の人生を貫くのだ。
 同じ言葉を発するのならば、人間の心と心を結ぶ「善と真実」の言論を放ちゆくのだ。
 広布への大情熱を点火し、「言葉の力」を復権させることこそ、「民衆の言論城」たる聖教新聞の重大な使命である。
 そして、聖教を携え、日々、あの友この友と語りゆく創価家族こそ、最も偉大な誓願に生き抜く地涌の菩薩なのである。
 さあ、善なる励ましの言葉を発しよう!
 仏の仕事を為す「声」を響かせよう!
 全人類の平和と幸福を願う心を届けよう! 
 今日もまた、明日もまた、聖教と共に! 同志と共に!


随筆 永遠なれ創価の大城 池田大作30 輝け民衆の言論城 2018年4月13日

 

2015年6月7日

無冠の友こそ我が同苦の友よ

 

 今日も、明日も、
 大地の鼓動の如くに、
 その足音は確実に響く。
 そして、
 その響きに合わせるように、
 慈悲に満ちた太陽が悠然と昇り、
 人々の朝が始まる。
 無冠の友は、
 太陽の使者ともいえるだろう。

 

 雨が降り、風が吹く時、
 いよいよ強盛の信心を表し、
 自身を磨きゆくあなた方こそ、
 学会魂の伝持者であることを、
 私は知っている。
 労苦を経験した人のみが、
 労苦の友を包む心をもっている
 その意味で私は、
 無冠の友こそ、
 わが同苦の友と信ずる。

 

 人類の悲劇を
 希望の劇へと転じながら、
 友よ、あなたは、
 愉快に、にぎやかに
 駆けてゆく。
 私たちの進む「この道」は
 ハッピー・ロード。
 路傍の人も
 「楽しそうね」と
 一緒に歩き出す。
 私たちの進む「この道」は
 ビクトリー・ロード。
 凛々しき
 民衆のヒーロー、ヒロインは、
 皆のあこがれだ。

 

 朝(あした)に 私は祈る。
 足どりよ軽やかであれ
 みな無事故であれ
 一日の幕開けを朗らかにと。
 そして夕べに 私は祈る。
 みなの幸多く和楽の一家であれ
 今日も明日もと。
 わが愛する無冠の同志よ。

 

2015.6.7付 聖教新聞 光の言葉 幸福の曲

 

2015年6月2日

無冠の友は「三世永遠の不二の家族」

 

 スタートしたのは、1955年(昭和30年)6月。当時、学会世帯は20万世帯を超え、年内に30万世帯を目指して前進していました。
 その中で、まず首都圏を中心に第1次の販売店が53店、続いて全国各地に第2次が77店、第3次が32店と、矢継ぎ早に設置されていきました。
 そして「日本中、世界中の人に読ませたい」との恩師・戸田城聖先生の願いのままに、地域に信頼の根を張り、「広宣流布の言論紙」を届けてくださる、わが「無冠の友」の活躍が始まったのであります。
 創価の希望の声を、あの友に! 人間主義の励ましの声を、あの家に! 生命の歓喜の調べを、愛する地域へ! 60年前からの飛躍的な広布拡大は、聖教の躍進と共にあったのです。
 奇しくも時を同じくして、世界で“平和と人権を守れ!”との力強い声が沸き起こりました。この年の7月には、核兵器廃絶を訴える「ラッセル=アインシュタイン宣言」が発表され、“良心の連帯”が大きく広がります。(

中略)
 同年の12月、アメリカでは、人種差別のバスの乗車を拒否する「バス・ボイコット運動」が開始されました。(
中略)
 雨にも風にも負けず、誇り高く前進する姿は、「無冠の友」の英姿と重なります。
 当時、恩師は詠まれました。

 

 妙法の
  広布の旅は
    遠けれど
   共に励まし
     共々に征かなむ

 

 いかなる障魔が競い起ころうとも、不退転の心で、異体を同心として団結し、励まし合ってどこまでも進むのだ、と。
 広布の長征を、行進を先頭に立って牽引してくださる共戦の同志こそ、「無冠の友」の皆様方です。
 この60年、聖教の配達に関わってくださった全ての皆様方とご一家の方々に、私は妻と題目を送り続けております。亡くなられた方々の追善回向も懇ろに行わせていただいております。私たちは、三世永遠の不二の家族だからです。(中略)
 暴力が渦巻く世界に、ガンジーは叫びました。
 「人がひるまずにひとり立つ支えとなるのは核心となる真理である」と。そして「真理は、それを信じない人がいる限りくり返し述べる必要がある」(古賀勝郎訳『今こそ読みたい ガンディーの言葉』朝日新聞出版)との箴言を留めています。
 最高峰の思想哲学も、「くり返し」語り抜いてこそ、人々に伝わる。来る日も来る日も、一人立って、たゆまず、粘り強く、勇敢に、弘める情熱があってこそ、流布していくのです
 御書に『法自ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し』(六箇抄、856頁)と仰せの通りです。
 わが「無冠の友」こそ、「聖教拡大」即「広布拡大」の最も尊き「宝の人」です。
 「友好の全権大使」であり、「笑顔の外交官」です。毎日、毎朝、朗らかに地域を回り、希望と友情の光を広げる「太陽の人」なのです。

 

2015.6月 「無冠」 メッセージ 

2015年6月1日

無冠の友よ!

 

 

 あなたの確実な
  一歩一歩にこそ
     未来がある
 毎朝
  あなたが走る銀の道は
   平和の金の道なのである

 

 

    2015年4月20日
      創刊記念日を祝して

 

    尊き尊き皆さまの
      健康と絶対無事故
        ご一家のご多幸を祈りつつ

 

配達員制度60周年記念

 

世界広布新時代

創立100周年へ

2030年 

 

世界青年学会

開幕の年

(2024年)

2013.11.18

広宣流布大誓堂落慶

更新日

2024.4.20

第2298回

 

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