2025年3月度
皆が「一念三千」の哲人王
<人間以上になる必要はない!>
人間は、
人間以上には偉くなれない。
なる必要もない。
日蓮大聖人は、
誰もがありのままの人間として、
最も偉大に最も尊貴に、
人間らしく輝きゆける道を開いてくださった。
騒乱の世で、単身、
幼い娘を抱えながら、同志に尽くし、
大難の佐渡にも馳せ参じた日妙聖人を讃えて、仰せである。
「民の現身に王となると、凡夫のたちまちに仏となると、同じことなるべし。一念三千の肝心と申すはこれなり」※1
――信強き貴女こそが、仏そのものの生命なのです。幸福の王者の境涯にならないわけがない。そのための一念三千の仏法なのですから、との大慈悲の心音が迫ってくる。
初代・牧口常三郎先生も線を引かれていた御聖訓である。
我らは「一念三千」という極理を体現した
「繕わざる」※2生命の哲人王を、
庶民の大地から、一人一人、呼び出してきたのだ。
御書の随所に記される「王」とは、
権威の象徴ではない。
「王は民をおやとし」※3とされ、
誰にもまして民衆に奉仕して
「人をたすくる人」※4と示されている。
とともに、
「王と申すは天・人・地の三つを串くを王と名づく」※5と、
何ものにも揺るがない、
正しき生命の王者の境地を明かされているのだ。
1966年の三月、軍事政権下の圧迫にも、
毅然と未来を見つめるブラジル広布の女性リーダーと、
私は語り合った。
「大変だな、困ったなと思う時に、
どう戦ったかによって、
大飛躍、大勝利の因をつくることができる」
その通り、今や、世界広布の王者と光るブラジルとなった。
全ては一念で決まる。
先の見えないトンネルに入ったような
社会だからこそ、大宇宙をも動かしゆく
地涌の誓願の一念を脈動させて、
民衆と共に、民衆のために、
人情味あふれる振る舞いで、
励ましの対話を広げていこう!
人間の王者、民衆の王者の大連帯で、
明るい希望を開きゆくのだ。
幻の
虚栄の流転
見下ろして
民の王城
築く誇りよ
※1 新版1681㌻、全集1216㌻
※2 新版1058㌻、全集759㌻
※3 新版1886㌻、全集1554㌻
※4 新版13㌻、全集9㌻
※5 新版746㌻、全集587㌻
2022年大白蓮華3月号№869 巻頭言